横浜FMのパフォーマンスが悪かったわけではない。序盤から高いラインを設定する相手の背後を突き、カイケや中村俊輔がフリーランニングを繰り返す。こうして作り出した優位な展開から先制点が生まれたのは偶然ではない。25分の先制点のシーンは、中村俊輔のボール奪取からカイケとマルティノスのコンビネーションプレーへとつながる素晴らしい形だった。
しかし後半に入ると、リードしている横浜FMにスキが生まれる。ボールを奪ってから縦に速いオフェンスを標榜している横浜FMだが、それを具現化する齋藤とマルティノスがフィニッシュまで持ち込めない。最終ラインを押し上げようにも「両ワイドの二人にスピードがあって、彼らが前を向いてしかけると周りは置かれていってしまう」と中澤は苦しい心境を吐露した。
追加点という成果を手にできれば問題ないが、結果的には中盤に生まれたスペースを磐田にも活用された。カウンターの応酬から川辺が放ったミドルシュートがネットを揺らして磐田が62分に同点に追い付く。
得意とするスピーディーな攻撃には罠が潜んでいた。「点を取れるチャンスがあったので責任を感じている」という齋藤の言葉を借りるまでもなく、こんなときこそ“決定力不足”と形容すべきなのだろう。(藤井 雅彦)