1stステージではリーグワーストの10得点しか挙げることができなかった鳥栖。しかし、2ndステージに入り、5試合で10得点とゴールを量産している。その要因は早坂の気配りであり、そして、鎌田の位置の変化だろう。
2nd第2節・神戸戦(2△2)から4試合連続で先発を続けている早坂だが、自身の得点はない。しかし、チーム屈指の観察眼とピッチ内でのコミュニケーション能力の持ち主の存在は周囲の良さを引き出している。そして、早坂がピッチにいることで最も良さが引き出されているのが鎌田だ。「アイツがいかに気持ち良くプレーできるか」と早坂は鎌田を生かすために汚れ役をいとわない。鎌田には「相手がイヤがるところに立っていればいいから」と細かに立ち位置を指示し、自身が献身的にプレスを掛ける。また、マッシモ・フィッカデンティ監督の戦術においてサイドに流れることを求められるのがトップ下の役割だが、そこも最前線の早坂が臨機応変に担う。最後方からチームを見るGK林が「以前は(鎌田)大地がサイドに流れるようなところでも、ハヤくん(早坂)が流れてくれて、大地が中央でプレーできるようになっている。大地の良さが出せるようにもなっている」と早坂効果を証言する。恩恵を受ける鎌田自身も「ハヤさんがいろいろと補ってくれる」と話しているように、状況判断とそれに即した動きができる早坂のインテリジェンスが鎌田本来の怖さを引き出している。
1stステージはフィッカデンティ監督の戦術をこなそうとするあまり、チーム全体が頭でっかちになっていた感は否めなかった。しかし、そこに「サッカーは(ピッチの)中で選手同士でしゃべって判断して対応するのも醍醐味の一つ」と語る早坂が入ることで、戦術を柔軟なものに変えている。決して派手なプレーをするわけではない。しかし、その気配りが鎌田という個を生かし、チーム全体を大きく変えている。(杉山 文宣)