反省点もあるが、価値ある6試合ぶりの無失点試合
遠距離アウェイの連戦からホームに帰還し、まず連敗は避けたい松本。しかし目下3連勝中と上り調子の長崎は、やはりそれだけの勢いがあった。
多くのサポーターからの後押しを受ける松本だったが、試合の入りは間違いなく長崎が主導権を握った。古巣との一戦になった岩間が「(古巣戦を)それほど意識していたわけではないが、地に足がつかなかった」と渋い表情を浮かべれば、高崎も「前半は横パスばかりで、なかなか縦に入らなかった」と唇をかむ。中央を締めながら試合を進める長崎の前になかなか攻撃の起点を作れず、ボールを失っては電光石火のカウンターで危険な場面を作られるなど、一進一退の煮え切らない展開のままで前半を終える。
しかし、試合終盤が近付くにつれて、遅まきながら松本の真価が発揮された。3連戦の最終戦、遠距離アウェイの連戦だった松本に、疲労がなかったといえば嘘になる。それでも足を止めることなく、勢いある長崎に対抗。相手陣内での時間が徐々に増え、あとはゴールを決めるだけ。ただ、前節・札幌戦(0●1)同様にフィニッシュの精度がわずかに足りず、なかなかゴールネットを揺らすことができない。
歓喜の瞬間が訪れたのは、引き分けの予感も漂った86分。カウンターから、「後半はサイドの裏で起点を作ろうと思った」という高崎が右サイドに流れながらパスを受けると、ファーサイドの山本へとクロスを上げる。背番号19が好機を逃さずに放ったシュートが、ついに長崎ゴールへと突き刺さった。
後半ロスタイムにパク・ヒョンジンに決定的なチャンスを作られるなど反省点もあったが、6試合ぶりの無失点試合には大きな価値がある。消化不良の試合が散見された松本だったが、この勝利を妙薬としたい。(多岐 太宿)