いまの柏にとって複数得点は難しい作業ではない
「立ち上がりからジェイとアダイウトンのところで長いボールを収められて、起点を作られた中で、苦しい展開でスタートしてしまった」
試合後、下平監督が振り返ったように、柏の試合の入りは決して良いものではなかった。さらに、PKのピンチはGK桐畑の素晴らしい反応で防いだものの、23分にはセットプレーから失点してしまう。
しかし先制されても、柏は気落ちすることがまったくない様子だった。むしろ、前半残り15分ころからは主導権を完全に握っていた。爆発的なスピードを生かした伊東の突破で、右サイドを切り裂く。前半のうちに追い付くことはできなかったが、ハーフタイムに下平監督は選手たちへこんなメッセージを送ったという。
「この流れで1点取れれば、逆転の可能性はある」
そして58分、栗澤のゴールで試合を振り出しに戻すと、柏の推進力はさらに加速。71分にはクリスティアーノとのコンビネーションから左サイドを破った輪湖の折り返しを、ディエゴ・オリヴェイラが決めて逆転に成功した。
大谷や武富を中心にリズムを作り、中央からの打開やサイドチェンジからの攻撃など、相手に的を絞らせなかった柏。3トップは個の能力も非常に高いが、周囲との連係の中からゴールに迫ることができる。柏にとって、複数得点を奪うことは難しい作業ではなかった。
前半の入りは思いどおりにいかなかったかもしれない。しかしこの日、試合を支配したのは間違いなくアウェイチームだった。必然ともいえる逆転劇で柏が勝ち点3を上積みし、連勝を『3』に伸ばした。(青木 務)