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ネイマール、バルボーザ、ジェズスといった圧倒的な“個”の前に日本は防戦一方だった。それでもGK中村航輔のファインセーブでピンチをしのぎ、0-0のままなんとか30分まで漕ぎ着けた。
そんな中で迎えた3分間のウォーターブレイク。「選手たちはずっとボールを動かされて、ウォーターブレイクを迎え、ホッとしたのではないか」と手倉森誠監督が語ったように、張り詰めていた緊張が一瞬、緩んでしまったのかもしれない。
そんな格好のチャンスをブラジルが見逃すはずがなかった。
ゲームが再開された直後、バルボーザがドリブルを開始。遠藤航と原川力があっと言う間に抜き去られ、立ちはだかった塩谷司もあっさりとかわされた。バルボーザのシュートに植田直通が飛び込んだものの体に当たってコースが変わり、ボールはゴールに吸い込まれていった。“粘り強く守り、後半勝負”を狙う日本にとって痛恨の失点だった。
試合後、この場面について二人の人物が「したたかさ」という言葉を使って振り返った。一人は手倉森監督。「ウォーターブレイクのあとに一気にギアを変えてくるあたりが強豪国のしたたかさ。あの辺の察知力を大会前に思い知らされた」と舌を巻けば、もう一人の塩谷は「最後、自分のところでファウルするというしたたかさも必要だったかもしれない」と悔やんだ。
前半の終了間際にもCKから失点し、最終スコアは0-2。もっとも、よく2失点で済んだものだと思えるほど、日本とブラジルの間には点差以上の差があった。短期間で選手一人ひとりの技術やフィジカルを向上させることはできないが、意識の部分は改善の余地がある。
「ブラジルとやって一人ひとりの判断は磨かれたと思う」と遠藤は言う。したたかさ、寄せの甘さ、動き出しの遅さ、パススピードの遅さ…。ブラジルによって突き付けられ、ナイジェリア戦までに改善できる課題は、たくさんある。(飯尾 篤史)