戦前は、長崎の永井、町田の鈴木孝によるJ2得点ランキング1位、2位対決、長崎で中盤のつぶし役を務める田中裕の欠場などが話題となったが、この試合の主役は長崎の村上だった。前回の町田戦(第9節・0●1)での退場と前節(松本戦・0●1)の出場停止、仲の良かったGK植草の移籍があった中で、誰よりも結果を求めていた男は、開始早々の5分に、トレーニングどおりの形からヘディングシュートを決めて長崎に先制点をもたらした。村上自身が「最後まで見なくても入るのが分かった」と振り返る会心の一撃で流れをつかんだ長崎は、素早い攻守の切り替えと体を張った守りで、町田の両SBにしっかりとアプローチ。「相手の勢いに対して良い対応をしている」と高木監督も評する前半を展開した。
後半は気温31.6℃、湿度73%という気候の中で疲労が出たこともあり、守勢の時間が増えたものの、交代やシステムチェンジ、GK大久保の好守などでうまく対応。カウンターの狙い合いとなった後半を無失点でしのぎ切り、1-0のまま試合を終わらせた。
これで長崎はリーグ後半戦4勝1敗。リーグ戦前半は未勝利だったホームで3連勝を達成。高木監督が「負けたあとの試合でしっかり勝てたことがすべて」と言うとおり、敗戦を引きずらないしぶとさを発揮して順位も再び10位へ浮上。昨季に見せた“勝ち切るしたたかさ”を取り戻しつつある。(藤原 裕久)