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1月のリオ五輪アジア最終予選で日本の下馬評は決して高くなかった。それにもかかわらず、初戦から準々決勝まで中2日で進んだ過密日程の中で全勝優勝を飾れたのは、ターンオーバーを導入した手倉森誠監督のマネジメントによるところが大きい。
グループリーグの初戦から決勝までの6試合すべてで先発を代え、選手の出場時間をコントロール。万全に近い状態でピッチに送り出したことが、好パフォーマンスにつながった。この大会で日本は15得点中、実に11得点を後半以降にマークしているが、体力が落ちる後半に勝負できたのは、相手よりもコンディションで上回ったからに他ならない。
またこの大会では実に10人の選手がゴールを決めた。それは「誰もが先発になり得る」ことで競争原理が働き、選手たちのモチベーションが高く保たれたからでもあった。
リオ五輪も最終予選と同じくほぼ中2日で大会が進んでいく。ましてやグループリーグの1、2戦の舞台は気温30℃を優に越すアマゾンの都市・マナウス。しかも、ドーハに根を張った最終予選とは異なり、2戦目が終わればサルバドールへ、勝ち進めばサンパウロやリオに移動しなければならない。
そうした過酷な大会で勝負を分けるのは、戦力、戦術以上にコンディショニングをはじめとする指揮官のマネジメントだ。
手倉森監督はすでに総力戦を明言している。 メンバー発表会見の席で「全部が全部代えられないが、間違いなく全員がピッチに立つ」と宣言すると、ブラジル入りしてからも「1試合目はこれ、2試合目はこれと、メンバーのシミュレーションはすでに出来上がっている」と明かした。中島翔哉、南野拓実、矢島慎也、浅野拓磨とそろう二列目のアタッカー陣に対しても「対戦相手によって使い分ける」と語った。
7月27日の地元クラブ、セルジッペ戦のあと、「大会を全員でうまく勝ち進むためのコントロールを、この練習試合からしなければならない」と語った指揮官。メダル獲得から逆算された選手起用はすでに始まっている。(飯尾 篤史)