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CBが相手のパワーに耐え切るのが絶対条件
ブラジル戦では“優勝がノルマ”のチームと“あわよくばメダル獲得”というチームの実力差を思い知らされた。
ネイマールなどブラジルの強力攻撃陣を前に日本は守備で翻ろうされた。遠藤航があれほどきりきり舞いさせられる姿は初めて見たような気がするし、二人のオーバーエイジ(塩谷司、藤春廣輝)と植田直通らとのコンビネーションに注目したかったのだが、何も見えてこないほどズタズタにされてしまった。一方で、日本の攻撃陣が果敢にドリブルをしかけても、簡単にストップされてしまった。それでも、ブラジルが手を緩めた後半はシュートに持ち込む場面が何度かあったし、トップの興梠慎三はロングボールを収めて起点を作った。また、交代出場の大島僚太がコンディションの問題もなく、良い動きを見せるなどポジティブな面はいくつもあった。
“耐えて勝つ”のが目標のチームにとっては、最強の相手に力の差を見せ付けられたことで、やるべきことが明確化され、かえって良かったのかもしれない。4年前のロンドン五輪や10年南アフリカW杯でも、直前の試合で惨敗したことでチームは結束した。
また、地元ブラジルとの試合とあってゴイアスのスタジアムはほぼ満員。公式戦に近い雰囲気を経験できたのは何よりのプラス材料だ。オーバーエイジとの融合という意味でも、この1試合は大きな意味を持つ。
ナイジェリアは攻撃陣のパワーとスピードが持ち味だが、ブラジルほど洗練されてはいない。また、イヘアナチョ(マンチェスターC)を招集できないなど準備不足は明らかだ。アフリカ勢は調整に問題があることも多いので、初戦で当たるのは悪くない。68年のメキシコ五輪でナイジェリアを破ったのも初戦だったし、10年W杯でも日本は初戦でカメルーンを破って最高のスタートを切った。
勝利を引き寄せるには植田と塩谷(または岩波拓也)のCBが相手のパワーに耐え切ることが条件。そうすれば、興梠のポストプレーや浅野拓磨のスピードで突破の機会は何度かつかめるだろう。遠藤は浦和での同僚でもある興梠の足元にボールをつけられるはずだし、大島は浅野を走らせるパスが出せる。
選手たちは若く、試合間隔も短いだけに、五輪ではほかの大会以上に初戦が重要。W杯ほど実力差はないので勢いに乗ればメダル獲得も可能ではあろうが、日本の現実的な目標はまず準々決勝進出だ。(後藤 健生)