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[六川 則夫]ナイジェリア戦勝利のカギはどこにある?/リオ五輪 クロスレビュー③

2016/8/3 6:00


Photo: © JFA
失点することは想定内。いかにして点を取るか

 ナイジェリア戦を前にネイマールを擁する優勝候補ブラジルと対戦したが、結果はともかく、ほとんどの選手がチームの現状、自分たちのこの大会における立ち位置を確認できたことは大きい。興梠慎三、塩谷司、藤春廣輝のオーバーエイジがそろって先発に名前を連ねたが、押し込まれた中でも、興梠はしっかりボールをホールドできた。動き出しの部分で戸惑いもあったが、試合を重ねていく中でスムーズになるだろう。中島翔哉、南野拓実らとの距離感が縮まれば、パスコースが増え、前線でタメができて、両サイドの攻撃も活性化するはずだ。
 久保裕也の去就が不透明な現在、興梠の存在はチームの生命線になったと言っていい。守備に追われる時間がほとんどだった塩谷、藤春の二人は、ネイマールに振り回されたものの、守備のピースとして得たものは多いはず。
 残念ながら攻撃に関しては、ほとんど持ち味を発揮する機会はなかった。前半はシュートゼロ。ネイマールを筆頭に相手のスピードに付いていくだけの展開だったが、これも心身ともに世界基準にリセットする時間と捉えれば、意味のある45分だった。
 ナイジェリア戦に向けての課題といえば、やはり失点シーンに尽きる。30分のウォーターブレイクで試合が止まり、その再開直後、遠藤航のところで捕まえ切れず、バルボーザをゴール前まで走らせてしまった。それまでGK中村航輔の好守もあってブラジルのスピードにどうにか食い付いていたのに、ゴールに向かってあそこまで走らせてはいけなかった。手倉森ジャパンが積み上げてきたものが、一瞬にして“無化”されたシーンだった。懸念されたセットプレーからも、空中戦で前に入られ失点。テーマであった“耐えるべきシーン”で持ちこたえられなかった。 ナイジェリアも身体能力の高さを前面に押し出して攻めてくることが予想される。ドリブルと空中戦を交えながら日本を揺さぶってくるだろう。サイドからのクロスを上げさせない守備の連係も問われる。初戦は最低でも勝ち点1が求められる。ブラジル戦を踏まえると、やはり失点は覚悟せざるを得ない。
 となると、どうやって点を取るかが初戦のカギとなってくる。最低でも前半は無失点で抑え、ボールを受けられる興梠と、縦のスピードがある浅野拓磨を生かす戦い方に特化してもいい。中島、矢島、南野ら、シャドーストライカーたちの“引き出し”にも期待したい。(六川 則夫)

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