Photo: Atsushi Tokumaru
フランス人指揮官のエリク・モンバエルツ監督は今週に入ってから、左利きの天野をトップ下に置いた[4-2-3-1]をテストしている。オフ明けから2日連続でこの布陣を採用したことについては「常にいろいろな可能性を探している。良いバランスを探している」と煙に巻いたが、何かしら意図があるのは間違いない。
2ndステージ開幕後の3連勝は、結果として2トップで臨んだ試合だった。縦方向へのスピードが強調され、相手陣内にスペースがある場面でのカウンターの威力が増した。一方で、前節・名古屋戦(0△0)のように「イケイケサッカーになっているところがある」(齋藤)のも事実。ポゼッションからの遅攻が減り、縦に急ぎ過ぎる傾向があったことも見逃せない。
指揮官としては悩みどころだ。天野を起用した[4-2-3-1]の狙いについて「ビルドアップのクオリティーを上げたい」と明かしている。ゲームメーカーの中村俊輔不在が続く状況で、いかにボールポゼッションし、チャンスを作り出すか。それを念頭において週前半の練習で試している段階と言える。
2トップを継続する可能性も否定できない。チャンスを作れていることは確かで、攻撃時のスピード感はここ数年の横浜FMに見られなかったものがある。ゴールこそ“水物”だが、そこに至るプロセスとして決定機を生み出せているのはポジティブな要素だ。
ただし夏場の気候も踏まえると、少しでもポゼッションして相手を動かす時間帯も作りたい。そこで運動量豊富で「10番タイプの選手」(モンバエルツ監督)に分類できる天野を登用する可能性が浮上した。
それらは3試合連続ドローと、最良の結果が出ていないことから端を発した悩みでもある。目の上のたんこぶとも言える柏戦を迎えることも踏まえた上で、指揮官が導き出す着地点はどこなのか。(藤井 雅彦)