■FC東京
前田は古巣相手にメモリアルゴールを決められるか
監督交代という劇薬を投じたFC東京は、前節の新潟戦を1-0で勝利し、連敗を『3』で止めた。篠田新監督の手堅い試合運びで見事に競り勝ち、下向き加減だったチームは再び上を向き始めている。
あらためて、城福前監督とは違うスタイルで、篠田監督はチーム作りを進めている。前節、1トップの位置で先発出場した前田はこう語る。「城福さんのサッカーはボールをつなぐイメージだった。いまは相手の背後を狙う攻撃が要求される。前線は2トップから1トップに変更されたが、むしろトップ下もいるし左右にもサポートがあるので孤立する感覚はなかった」。
篠田監督が選択した[4-2-3-1]。その頂点のポジションは、前田がかつてアルベルト・ザッケローニ監督率いる日本代表時代にプレーした場所。当然、やり慣れた役割でもあり、窮屈さもなさそうだ。
そんな前田にとって、今季2度目となる古巣対決。前回のアウェイ戦は試合後に磐田サポーターが陣取るスタンドから大きなエールが送られた。当時は感傷的な思いに浸ったが、「古巣戦を1回経験したので、今回はもう変わった感情はない」と言い切る。その前回対戦では絶好機を外してチームも引き分けている(0△0)だけに、今回は決めたいところだ。
また本人にとってもメモリアルとなるJ1通算150点まであと1点と迫っている。長らくお世話になった磐田相手に決められればストーリーとしては完璧だが、本人は殊勝にこう話す。「数字を意識しても良いことはない。勝利に貢献する、それは僕にとっては点を取ること。それだけですね」。
目的はシンプル。ゴールを奪い、勝利する。ホーム初陣となる篠田トーキョー。ストライカーがカギを握る。(西川 結城)
■ジュビロ磐田
1トップ採用ならば小林を攻撃で生かしたい
今節、ジェイが欠場する可能性がある。前節の柏戦(1●2)で途中交代を命じられると、悔しさからかボトルを投げる行為で警告を受けた。さらに試合後の会見では、チーム内の「規律を犯した」として今回の大事なアウェイゲームでエースを起用しない方針を、名波監督は示唆していた。
2日の練習後には「ジェイについてはノーコメント」と指揮官は明言を避けた。本稿締め切り時点では、背番号8がFC東京戦に出場するかは不透明。ジェイが反省しているのは事実で、今週の練習も精力的に取り組んでいた。それでも、名波監督が毅然とした対応を取ることは十分に考えられる。
現在の磐田は1点を奪うことはできるが、追加点が遠い。ジェイはリーグ戦12試合に出場し、9得点を記録している。エースである元イングランド代表ストライカーが欠場となれば、チーム全体でゴールを目指す意識をより強めなければならない。
最近はジェイとアダイウトンの2トップで戦ってきた。高い個人能力を誇る彼らのコンビは、攻撃面においては威力を発揮している。しかし、チーム得点王が不在となれば、アダイウトンのみを最前線に置く形も考えられる。最後に勝ち点3をつかんだJ1・1st第17節の仙台戦(3○0)では、1トップを務めたブラジル人アタッカーが2得点を挙げる活躍を見せた。
2トップで臨んだ試合では、小林が守備に忙殺されることが多かった。中盤の枚数が多くなり、周囲との役割分担ができれば、24歳のレフティーはより攻撃にパワーを使えるはずだ。そうなった場合に小林がすべきは、磐田を2ndステージ初勝利に導くパフォーマンスを見せることだ。(青木 務)