■川崎フロンターレ
自らを高めることに注力。15戦負けなしは副産物
15戦負けなしという好況にはあるが、対戦相手にとって手がつけられないほどの強さを誇っているわけではなく、“圧倒的”と言える試合は少ない。
もちろん、2nd第1節の仙台戦(3◯0)や第2節・名古屋戦(3◯0)のように結果的に完勝と言える試合もある。とはいえ、その中でも常に向き合わなければいけない課題や修正点が存在する。
いまの川崎Fはその課題に取り組み自らをさらに高めることに注力している。“いかにしてもっと高いレベルに行くか”、“圧倒的に勝利を収めるにはどうすればよいか”ということを考え、そのために日々のトレーニングからプレーの質を高めるということだ。連続不敗記録というのはその過程における単なる副産物に過ぎず、「そこを目指してやっているわけではない」と中村が語るように、誰一人として記録を伸ばすことに主眼を置いている者はいない。これがいまの川崎Fの強さを支えている。
そして、今節もやることは変わらない。前節の湘南とは異なり、迎え撃つ甲府は「ボールを取りに来ない」(小林)ことは間違いなく、後ろに重きを置いて「密度の高い」(中村)守備で川崎Fの攻撃に応戦してくるだろう。その守備網をかいくぐって進撃していくことがチームに求められるが、それはリーグ最多得点数を誇る川崎Fの得意とするところだ。
加えて、この夏場の暑さがチームの追い風になることも想像に難くない。長時間ボールを持つことができれば、いくら相手守備の完成度や集中力が高くとも、消耗してほころびが出る可能性は高い。ボールを持ち続け、敵陣に相手を貼り付けて攻撃の時間を増やせば、自ずと結果はついてくるだろう。(竹中 玲央)
■ヴァンフォーレ甲府
川崎Fから高付加価値の勝ち点を奪取したい
「周りの人は川崎Fが勝って当然と思っている。だからこそ楽しみ。自分たちの力を証明するチャンスなので一発見せたい。チャレンジできることが幸せだと思っている」。甲府の稲垣は予想以上にポジティブに今節に向き合っている。
前節の浦和戦は多少なりとも勝つチャンスがあると思って挑んだものの、力の差を見せ付けられて0-2で敗れたが、今節は小さな可能性に懸けることが難しいと思うほど、ここ最近はコテンパンにやられている川崎Fが相手。それでも、稲垣がそう思える理由は目指すサッカーが明確にあるから。
いまの甲府は中を厚くして、外に追い出して固く守るところからカウンターでゴールを挙げ、勝機や勝ち点を見いだそうとしてきた。複数失点が続いて勝てない試合が多かったが、ここ数節はそれが改善傾向にある。ただ、川崎Fは厚くしたゴール前でも起点を作って崩しにかかるスキルがあるチーム。
前回対戦(1st第4節・0●4)はFK(9分)を中村に決められたのを皮切りに4得点を許して敗れたが、消極的になって自滅した側面もあり、今節は各々が自身へのリベンジのチャンスでもある。川崎Fが強いがゆえにできない理由をあれこれ考えるよりも、できることをやろうとする意欲を前面に出したい。
現時点では、年間勝点14位の新潟から18位の福岡までが残留争いの当事者で、甲府は15位でギリギリ降格圏外。前節は17位・名古屋と18位・福岡が引き分けて勝ち点1を積み上げ、残りの3クラブは敗れた。その結果、勝ち点5差に5クラブがひしめく過密状態。甲府は年間でも2ndでも1位の川崎Fから高付加価値の勝ち点を挙げたい。(松尾 潤)