鹿島は一体どういうチームなのか。わずかな期間で見えなくなってしまった。
前半のシュート数はわずかに2本。闇雲にボールを追うのではなく、ブロックを築いてから前に出る戦いを選択したとはいえ、攻撃のアイディアや迫力不足は顕著。1stステージはどう守備をして、どう攻めるのか、試合を見ていれば明確に伝わってきた。しかし、いまは違う。選手は誰もが戦っていたが、チームの体を成していなかった。
この日、キャプテンマークを巻いたのは西だった。自らキャプテンを志願したところに、この状況を何とかしたいという心意気が透けて見える。しかし、監督がトニーニョ・セレーゾやオズワルド・オリヴェイラでも同じことが起きただろうか。
西の申し出を受けた石井監督は「最終的には私が判断すること」と話したが、監督自らの発案で託す場合と事象は同じでも、周囲に与える影響は大きく異なる。
選手はそれぞれ苦境を脱しようともがいている。ただし、そのベクトルは必ずしも同じ方向を向いているわけではない。だからこそ、それを一つにまとめる必要があり、そのために監督がいる。
前からボールを奪い、相手を押し込む理想の戦いができないいま、何を捨てて、何を残すのか取捨選択が必要だ。それは選手の仕事ではなく、監督の仕事である。選手の自主性に任せるだけでは、いつまで経っても、この苦境を脱することはできない。監督の強いリーダーシップが求められている。(田中 滋)