青山の右足から放たれたロングパスを最終ラインの背後に走ったピーター・ウタカが絶妙なタッチで足元に収めた。そして、ナイジェリア人ストライカーは追いすがるDFと迫ってくるGKを巧みに外した左足のシュートで、ボールをゴールマウスに流し込む。2分、二つの才能が共鳴して広島は先制点を奪った。
この得点が名古屋に与えたダメージは大きかった。前節・横浜FM戦(0△0)に続いて5バックでスタートしたが、「プランが崩れた」(小倉監督)。今節はシモビッチをベンチに置いて永井を1トップに据えたが、個人突破頼みの攻撃にしか活路を見いだすことができないまま時間が経過していく。一方の広島は青山と丸谷のダブルボランチが中心となって落ち着いてボールを動かしながら、攻撃のスイッチを入れていき、22分にはCKから追加点を獲得。後半に名古屋にシュートを許しても、GK林が立ちはだかって名古屋の攻撃を悠々とシャットアウトした。
ピーター・ウタカの得点をオンリーワンの武器で演出し、その後も気迫を前面に出しながらチームを引っ張った青山は、「これを続けるしかない」と力強い眼光で次戦を見据えた。広島に頼もしき主将が戻ってきた。(寺田 弘幸)