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気になった硬い表情
“耐えて勝つ”サッカーを標榜するチームが守備であれだけ多くのミスを犯してしまったのでは、敗戦は当然の結果だった。
試合前、間違った国歌が流れたことによってかえってリラックスできたのか、柔和な表情を見せるナイジェリアに対して、日本の選手たちの硬い表情が気になった。案の定、試合開始直後に2失点。初戦の緊張感のせいだったのだろうか、慎重になり過ぎて右サイド(日本側から見て左)でボールを持った相手選手に体を寄せることができず、いったんは同点としたあともクロスから失点を重ねた。
ただ、幸運にも失点直後に二度とも追い付けたことで、その後はなんとか守備も修正できた。遠藤航が立ち上がりの時間以上に相手との間合いを詰めて攻めを遅らせ、植田直通も身体能力の高い相手に空中戦で互角に渡り合い、荒れたゲームを落ち着かせることに成功した。
グループ突破の可能性は十分残る
ところが、時間の経過とともに単純なボール扱いのミスが増えて、日本は再びリズムを失ってしまう。そして、前半終了間際の42分、ナイジェリアの縦パスに対して塩谷司が対応を誤ってリードを許した。後半に入っても塩谷が同じようなミスから慌てて対応してPKを与え、さらに藤春廣輝がパスをカットされて得点差を広げられてしまった。
コンディションの悪いナイジェリアに対して、攻撃は十分に通用していた。とくに1トップで体を張って起点を作った興梠慎三は日本の攻めに大きく貢献。南野拓実や中島翔哉、大島僚太のパス交換にはキレがあった。さらに交代で出場した浅野拓磨と鈴木武蔵が終盤に決めて4ゴールも奪えただけに、守備面でのミスの多発が余計に悔やまれる。さいわい、同じB組のコロンビアも、スウェーデンもチーム状態は万全ではない。しかも両者の対戦が引き分けに終わってくれたので、準々決勝進出の可能性は十分に残っている。
すべては守備の立て直しにかかる。初戦で大量失点したことによって、最初の2失点のような消極的な気持ちはなくなるはず。個人的なボール扱いのミスについては、選手個々の気持ち次第というしかないが、守備ラインの組み替えも考えるべきだろう。(後藤 健生)