Feature 特集

[西部 謙司]不十分だった奪いに出る守備/リオ五輪 クロスレビュー

2016/8/8 6:00


Photo: © JFA
攻守において狙いどおりだったが

 予定どおりのプレーができていたのに、結果はまったく予定と違っていた。そういうゲームだったと思う。
[4-5-1(4-3-3)]でハーフウェーライン付近から守備を開始する日本は、ラインコントロールもしっかりしていて、コンパクトな状態を保ちながらの守備ができていた。個々の能力が高いナイジェリアに対して、コンパクトな守備ができるかどうかは死活問題だったので、この点では良かった。攻撃でも4ゴールを奪った。素早いコンビネーションと揺さぶりを使ったアプローチは効果的で、興梠慎三のキープ力のおかげで距離感を保ち、コンパクトな守備からのカウンターアタックは機能していた。これでロースコアの展開から勝利するつもりだったはずだ。

出どころに圧力を掛けたかった

 ところが何と5失点もしてしまった。ミスとナイジェリアの個の力で押し切られた形である。戦術的な課題を挙げるなら、中盤で待ち受ける守備はできても、奪いに出る守備が不十分だったところだ。1トップがセンターサークルの外、MFがハーフウェーラインと、守備の開始地点がはっきりしていたが、もう一つ敵陣側でプレッシャーを掛けないと奪い切るのは難しい。この試合では常に追いかける展開だったので、奪いに行く守備が構築できていないのは痛かった。ナイジェリアの攻め手が単純に縦に入れてくるので、なおさらプレッシャーを掛けたかった。攻撃では、ビルドアップから縦パスを入れるときにミスが多発していたのも流れを引き寄せ切れない原因となった。
 失点自体はミス絡みがほとんどで、それぞれを修正することは可能だが、それをやったからといって根本的な解決にはならない。個のクオリティーに関わるものなので、個々の事象をつぶしても、おそらくミスはなくならないと思う。
 守備のミスは多発したが、次の相手と試合展開に合わせて組織を仕上げていくしかない。初戦が重要とよく言われ、実際にそういう傾向は確かにある。ただ、3試合のグループリーグで重要なのは2試合目だ。初戦では勝ち抜けも敗退も決まらない。2試合目の結果次第で、振り出しに戻して最後の試合を迎えられるか、何点か取って勝たなければいけない状況になるのか、3試合目の条件がかなり違ってくるからだ。(西部 謙司)

関連カテゴリ

EG 番記者取材速報

League リーグ・大会