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[後藤 健生]最終ラインは相変わらず不安定/リオ五輪 クロスレビュー

2016/8/10 6:00


Photo: © JFA
井手口起用の効果

 失点してもすぐに取り返す試合運びは、アジア最終予選で何度も逆境をはね返してきたこのチームらしい戦いぶりだった。
 しかし、初戦のナイジェリア戦と同じく、失点はいずれもミス絡み。1点目はグティエレスの“個の力”によるものではあったが、グティエレスがワンツーで抜けた場面での塩谷司の寄せが甘く、最も警戒すべき選手に余裕を持ってシュートを撃たせてしまった。植田直通に当たってコースが変わる不運もあったが、ミスによる失点だった。そして、2失点目も藤春廣輝の判断ミス…。守備強化を目指して招集したオーバーエイジの二人がまたも失点に絡んでしまった。最終ラインの不安定さは、第1戦からあまり変わっていない。
 攻め込まれる場面が少なかったのは、前線での攻めから守りへの切り替えが良かったため。ボールを失ってもすぐにボールを回収できたので、相手に攻撃機会を与えなかった。
 また、井手口陽介が入ったことで中盤の守備力が向上し、セカンドボールを拾えたのも効果的だった。後半途中で大島僚太を投入して攻撃力を上げられたのも、井手口先発の効果だった。
 ナイジェリア戦で4得点した攻撃陣は、この試合も好調を維持。後半開始早々に浅野拓磨のシュートがバーを叩くなどなかなか決め切れなかったが、前半はサイドからの崩し、相手の足が止まってからは中央突破と、目先を変えながらうまく崩すことができた。ヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表監督就任以降、“縦への攻撃”ばかりが強調されるが、ダイレクトパスをつなぐ日本らしい攻撃によって多くのチャンスを作れたのは気持ちが良かった。

警戒すべきはイシャク

 この引き分けによって準々決勝進出の可能性を残した日本。最終戦で対戦するスウェーデンに対しては相手の裏を取る動きが効果的なはず。
 スウェーデンもパスをつなぐチームだが、それほど変化もないので崩されることはないだろう。むしろ、高さを生かして早いタイミングでクロスを入れられるほうが日本の守備陣としては恐い。警戒すべきはミドルシュートと高さという武器を持つイシャクあたりか。
 スウェーデンは慣れない暑さの中の連戦で疲労も溜まっている。不用意な失点だけは避けるように慎重に戦いたい。あとは、ナイジェリアの健闘を祈ろう。(後藤 健生)

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