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初戦でジョーカーに指名した浅野拓磨も、2戦目で切り札として起用した大島僚太と南野拓実も、このスウェーデン戦では先発で送り出された。手倉森誠監督が前半から勝負を懸けたのは明らかだった。
だが、スウェーデンの守備ブロックをこじ開けられず、0-0のまま時間だけが過ぎていく。
決勝トーナメント進出のために勝ち点3が必要なゲームだっただけに焦りが生じてもおかしくなかった。だが、日本の選手たちは落ち着いていた。
「ブロックを敷かれていて、(縦パスを)打ち込める機会が少なかった。あんまり急ぎ過ぎて前の選手が疲れてもいけないので、途中から前半はゼロでいいという話をしていた」
そう明かしたのは大島である。その言葉に同調するように、遠藤航も言う。
「自分たちのリズムでやれていたので後半になれば絶対に点を取れると思った。焦りはなかった」
後半に入って大島が「航と話し合って」ポジションを上げ、ペナルティーエリア付近でボールに触る回数を増やす。こうして攻撃のギアを上げ、サイドから、中央から、スウェーデンを攻め立てた。歓喜の瞬間が訪れたのは65分。大島のパスに矢島慎也が飛び込み、ゴールをこじ開けることに成功した。
状況に応じてゲームをコントロールする――。これは、チーム立ち上げ時から指揮官が求めてきたものだ。喉から手が出るほど勝ち点3が欲しいゲームで、焦れずに自分たちの判断で後半勝負に切り替えたところに頼もしさが感じられた。
初戦・ナイジェリア戦ではミスを引きずり5失点を喫したが、2戦目には2点差を追い付く反発力を見せ、3戦目ではゲームコントロールとゴールをもぎ取る力を示した。わずかな期間でも成長を遂げているだけに、ここで大会を去らざるを得ないのがもったいない。
この成長の続きはA代表で――。手倉森ジャパンのメンバーがロシアW杯のピッチに立ったとき、リオ五輪での敗北に、大きな価値が生まれる。(飯尾 篤史)