先制を許し停滞した前半から一転、後半45分間、熊本ゴールを襲い続けた怒涛の攻撃は水戸の可能性を大いに感じさせるものであった。そのスイッチを入れたのが、後半開始から投入された久保だった。
「まだコンディションが上がっていない」(西ケ谷監督)ということで先発出場を見送られている久保だが、ピッチに立つと、圧倒的な存在感を示した。屈強な体を生かしたポストプレーで厚みのある攻撃を誘発。縦への推進力のある平松との関係も良く、二人のパワフルなプレーで熊本DFに脅威を与えた。そして53分、平松が体を張って収めたボールを久保が受け取ると、熊本DFにスクリーンをかけながらロメロ・フランクへ。フリーでボールを受けたフランクが豪快にゴールに蹴り込んで同点に追い付く。
その後も久保を中心に果敢に攻め立てた水戸。しかし、熊本の粘り強い守備を崩し切ることはできなかった。そこで79分にシステムを[3-5-2]に変更し、さらに攻め手を強め、両サイドから猛攻をしかけてチャンスの山を作った。しかし、GKの好守に阻まれゴールならず。90分に中央突破から抜け出したフランクのシュートもクロスバーに嫌われた。
多くのチャンスを生かせずに勝利を逃した水戸だが、新たな戦力がフィットしたことにより、攻撃のバリエーションを増やすことができている。三島を失いながらも、また新たな強みを手に入れつつある。(佐藤 拓也)