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[後藤 健生]“世界”を経験できなかったツケが出た/リオ五輪 総括クロスレビュー

2016/8/15 6:00


Photo: Getty Images
敗因は“自滅”だった

 3試合で7得点。しかも、7点ともパスをつないで相手ディフェンスラインの裏を取ったり、外を崩してからのクロスによる美しいゴールだった。日本が本来目指すべきパスをつなぐ攻撃が世界にも通用することを証明できたのは大きな収穫だ。
 しかし、グループリーグの最終戦でスウェーデンには完勝したものの1勝1分1敗に終わり、準々決勝進出を逃してしまった。ナイジェリア戦で4点を奪ったのに5点を失って敗れてしまったことがすべて。失点はすべて単純なミスによるもので、要するに敗因は“自滅”だった。
 GKやDFの育成。守備の基本戦術の徹底など育成段階の課題はこれまで何度も叫ばれていたこと。早急に見直しが必要だろう。
 守備の崩壊については、主力と考えられていたDFが大会前に次々と負傷で離脱する不運もあった。室屋成と岩波拓也はなんとか間に合ったものの、岩波は出場機会なしに終わったし、室屋も初戦では試合勘が戻っていなかったようで致命的なミスを犯してしまった。
 また、DFの負傷が相次いだためディフェンスラインにオーバーエイジ(OA)を二人起用することになったが、こちらも空回りしてしまった。特に組織が必要な守備面では調整の時間がもう少し必要だったはず。6月の南アフリカとの親善試合で、なぜOAの3人を起用できなかったのだろうか?

積極的な海外遠征で強化を

 ナイジェリア戦のミスのいくつかはメンタル的な原因でもあった。止めに行ってかわされたり、はじき飛ばされたりしたのならともかく、カバーもいる状況でもチャレンジに行けないような臆病なプレーが多過ぎた。U-20W杯の出場権を逃し、世界の舞台で強豪と真剣勝負をする機会がなかったこの世代のツケが出たのだろう。今回のメンバーにはこの経験を今後に生かしてほしいものだし、4年後を目指す世代には、ぜひアジア予選を突破して“世界”を経験しておいてほしいものだ。
 02年の日韓W杯を前に、日本サッカー協会は年代別代表を積極的に海外遠征させて経験を積ませた。それが、中田英寿や中村俊輔、そして小野伸二、遠藤保仁らの黄金世代の成長につながった。東京五輪世代にも、ぜひそういう経験を積ませてもらいたいものである。(後藤 健生)

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