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ミスの一因は“経験不足”
ギリギリ育成年代の大会である五輪は、なるべく多くの試合を経験するのが目的の一つだ。その点、3試合で終わってしまったのは残念だが、3試合とも良いプレーはできていて、ナイジェリア、コロンビアにも勝つチャンスは十分あった。日本は組織的にまとまっていた。
グループリーグ敗退に終わった直接的な原因はミスだ。守備組織に大きな問題はないのに、判断ミスに付け込まれた。これは4年後までに改善されなければならないが、一つひとつのミスを分析して修正することにはあまり意味がない。いくつか大きなミスがあったけれども、その選手も毎回そういうミスをしているわけではなく、それではあの舞台には立てていない。しかし、一つのミスを修正しても別のミスをする可能性がある選手たちだったとも言える。大雑把にくくってしまえば“経験不足”ということになる。次回は東京開催。予選がないのでアジア以外の相手との強化試合を積んで経験を積むことは可能だろう。リーチの長さ、パワー、スピードなどに慣れておきたい。
組織的な攻守は、4位になった前回大会よりも良かった。ただ、堅守速攻のゲームプランそのものは最初の2試合では破綻している。戦術の選択が正しく、選手も良いプレーをしているのに、ゲームプランが成立していないという事実はけっこう重い。今年のEUROでポルトガルが優勝したように、チームとして特に傑出していなくても勝ち上がれる可能性はある。だが、どんなに組織が良くてもあれだけミスをしていたら敗退する。守備での個のクオリティーを上げなくてはならない。
攻撃陣にもスケールアップが必要
攻撃力は十分だった。ただ、こちらも個の能力で相手より勝っていたわけではない。時折相手を圧倒する力を見せていた浅野拓磨、南野拓実も1対1で止められたシーンが何度かあった。そこを突破できれば大きなチャンスになる場面で引っかかっている。大島僚太、矢島慎也、中島翔哉もクオリティーは高かったが、W杯を想定するならさらにスケールアップしなければならない。
ただ、総じて経験不足という問題点は次回に限っては解消するチャンスは十分ある。メキシコのようにコパ・アメリカに出場できれば一番良いが、公式戦が無理だとしてもチームとして多様な相手と数多くの経験を積む機会は作れるのではないだろうか。(西部 謙司)