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[六川 則夫]手倉森誠を“飼い殺し”にするな/リオ五輪 総括クロスレビュー

2016/8/15 6:00


Photo: © J.LEAGUE PHOTOS
日本五輪チーム史上“最強”だった

 ロンドン五輪でベスト4に進んだ関塚ジャパンは、チーム始動当初、呼びたい選手より合宿に参加できる選手を優先せざるを得なかった。そのためメンバーの多くに大学生が入った。合宿を重ねるたびに、大会を経験するごとに選手を新陳代謝し、戦術的にスキのないチームを作り上げていった。関塚流現実路線である。
 翻って手倉森ジャパンは日程的にその余裕すら与えられなかった。ようやくチームの形が見えてきたのは、リオ五輪のアジア1次予選。結果を出しながらチームのベースを作り、最終予選で戦えるチームに作り上げ、アジアの頂点に立った。これまでの監督像と違って、常に鳥瞰的にチームを捉え、試合に合わせて選手をはめ込み、選手全員で五輪出場を勝ち取った。本大会では残念な結果になったが、過去日本五輪チーム史上“最強”と言っても差し支えない。

手倉森監督を育成の技術委員長に

 報道によると、今月末JFAと契約満了となる手倉森誠氏に、A代表コーチのオファーが来ているようだが、ここは一度けじめをつけるべきである。将来的にヴァイッド・ハリルホジッチ監督のあとを継ぐ“密約”があったとしても、田嶋幸三、西野朗体制から距離を置いたほうがいい。手倉森監督の経験値を生かすには、代表では活動期間が短か過ぎる。ましてや外国人監督の下、責任の伴わない名ばかりのコーチでは、はっきり言って“飼い殺し”も同然である。それでも協会スタッフになるというのであれば、育成年代の技術委員長クラスをオファーしたらいい。
 今回も露呈したが、ひとえに育成年代の国際経験のなさは、成長過程の選手たちを対象に指導者も育成すべく、実績、経験値の少ない人材をあてがってきた経緯がある。そのツケが今日の低迷を招いた要因の一つとなっている。それを熟知する手倉森氏が現場統括の責任者になれば、育成スケジュール、選手招集等、いま以上に風通しがよくなるはずだ。それを西野氏が受けて、田嶋会長にあげる。これまでのように強化担当者が各クラブと交渉するのではなく、会長マターで、Jリーグ当局とすり合わせればいい。そうすれば、JFA、Jリーグとも育成、強化の基準を共有することができる。
 現実的には、反町康治、関塚隆、両氏のように、野に下ってクラブチームをけん引することになると思うが…。(六川 則夫)

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