■浦和レッズ
ここ10試合、9勝1分。「一番良い状態で臨める」(武藤)
文字どおりの大一番。前節の結果によって浦和は2ndステージで川崎Fを抜いて首位に立ち、年間勝点で川崎Fに勝ち点2差に迫った。つまり今節、勝利すれば2ndステージの2位チームに勝ち点5差以上をつけられ、年間勝点でも首位に立つ。逆に敗れれば得失点差により2ndステージで再び2位に転落し、年間勝点では勝ち点5差に広げられてしまう。まだこの試合を終えても8試合が残されているが、「今季、一番大事な試合」(興梠)であり、この結果がタイトル争いに大きな影響をもたらすことは間違いない。
川崎Fが前節で鳥栖に敗れた一方、浦和は名古屋に快勝。ペトロヴィッチ監督が選手たちに伝えた「最低でも勝ち点9」という下位3連戦で3連勝を果たし、「川崎F戦の前に取りこぼせない」(宇賀神)というミッションをクリアした。ここ10試合は9勝1分。大一番に「一番良い状態で臨めるのではないか」(武藤)と自信をみなぎらせる。
17日にはリオ五輪から帰って来た遠藤、興梠がチームに合流。興梠は体力面、遠藤は精神面がまだ万全ではない様子で「出るかどうか分からない」と話したが、彼らが先発できなくても、4連勝を飾ったこの4試合を考えれば不安はない。リオ五輪組がいなくても十分に戦えるだけの戦力が浦和にはあることを証明している。
相手の持ち味を消すのではなく自分たちの良さを出そうとする両者。それだけに、この4年半で繰り広げられたそのほぼすべての試合が好勝負となった。そこに首位攻防戦というエッセンスが加わる。精神的にはプレッシャーが掛かる試合でもあるが、これが頂上決戦という試合に期待したい。その結果として浦和が求めるのは言うまでもなく、勝ち点3だ。(菊地 正典)
■川崎フロンターレ
「どっちが強いかを証明する大事な一戦」(小林)
前節の鳥栖戦(0●1)で連続無敗記録が『16』で止まり、年間勝点の首位はキープしたものの、2ndステージのトップの座を明け渡してしまった。そして、川崎Fの上に立ったのが浦和だ。年間勝点でも両者の勝ち点差は『2』であり、今節、川崎Fが敗れれば長らく守ってきたトップの座を譲ってしまうことになる。ただ、ここで勝ち点3を奪うことで前節の前の状況に“戻す”ことができることも確か。そういう意味で、非常に重要な一戦である。
前節は良いところを見せられずに敗れたものの、選手たちはそれはもう終わったことだと割り切り、「特に深く考えていないし、(今回)直接対決に勝てば問題ない」(谷口)と気持ちを切り替えている。前節の敗戦を引きずるようなことはないだろう。
何より、選手はこの一戦を心待ちにしている。埼玉スタジアムの雰囲気に対し、谷口と小林は口をそろえて「好き」と語り、形は異なるがボールを保持して攻撃的なサッカーを志向するチーム同士の対戦に小林は「どっちが強いかを証明する大事な一戦」と語気を強めた。チームがどのような状況に置かれていようとも、浦和との対戦では、自然とモチベーションが上がる。主将の中村は「多摩川クラシコとも、神奈川ダービーとも違うものがある」と表現したが、確かに、常に熱戦を繰り広げる浦和との対峙は、地域の覇権を争うダービーとは異なる。ただ、それと同等の“熱”がそこにはある。それはペトロヴィッチと風間八宏という二人の指揮官が時間をかけて、チームに明確な攻撃色を付けたからだろう。攻撃的なサッカーで近年のJリーグを彩ってきた両者の歴史が、この対戦に大きな価値を付けたと言っても過言ではない。この試合でも両者の攻撃的なスタイルがスタジアムを熱くする。(竹中 玲央奈)