■ジュビロ磐田
鳥栖相手でも走り負けないことが前提
前節、磐田はG大阪に0-2で敗れた。相変わらず前半途中までは主導権を握れるものの、時間の経過とともに相手にペースを譲ってしまう。14対11とシュート数では相手を上回ったが、チャンスを確実にモノにしたG大阪が危なげなく勝ち点3を上積みした。磐田に決定機と呼べるシーンはほとんどなく、それは元イングランド代表ストライカーのジェイを投入しても変えることができなかった。
「だんだん積極性が失われていき、ボールも前に入らなくなってしまった」。G大阪戦は出場停止だった宮崎は、試合の感想をこう述べた。名波監督は、「夏場だから走れないというのは言い訳にならない」としている。実際、走行距離だけを見れば、この時期でも磐田は走れている。主導権を握る相手に“走らされている”と捉えることもできるが、足が止まらないという点に関しては前向きに捉えるべきだろう。
「勝たなければいけない重圧もある」とアダイウトンは言う。ダイナミックなプレーが光るブラジル人アタッカーだが、2ndステージに入ってからはそうした持ち味も影を潜めている。彼をはじめチーム全員が持っている力を発揮すれば結果はついてくるはずだが、そうさせてくれないのがJ1という舞台。相手も磐田を研究しているはずで、サックスブルーを上回るパフォーマンスを見せてくる。
それでも、現状に抗い続けるしかない。鳥栖は前節で川崎Fを下しており、2連勝を狙ってくる。走力自慢の鳥栖相手でも磐田としては相手に走り負けないことが前提。そして、勝負どころを見極め一人ひとりが勝利を目指して突き進むしかない。(青木 務)
■サガン鳥栖
難敵・磐田相手でも、カウンターサッカーの消耗戦
前節、年間勝点で首位の川崎Fの無敗行進を『16』で止めた鳥栖だが、今回の磐田は難しい相手になるだろう。そこにはスタイルの違いがある。川崎Fは試合の中でうまくいかなくても確固たるスタイルを貫いてくるタイプのチームだった。強力ではあるがやり方が一貫しているぶん、守備においてハメ込む作業は迷いなくこなすことができた。しかし、磐田の場合はそういうタイプのチームではない。さらに小林がオランダへ移籍したことでトップ下の選手が確実に代わる。それによって生まれる変化も未知数だ。「前半の10分以内にある程度、つかめるような状況を作ってあげたい」とGK林も川崎F戦とは違った難しさがあるからこその心構えに触れている。
その中でも磐田のストロングポイントの一つであるクロス攻撃については警戒が必要だろう。両サイドに中村太、太田のようなクロッサータイプを置き、ジェイ、アダイウトン、森島といったフィジカルの強さを備えた面々を前線に有している。特に鳥栖は前々節のG大阪戦(1●2)ではクロスから後半ロスタイムに失点を喫し敗れているだけに、その反省が問われる試合になるだろう。クロス対応はカギになる。
夏場でも消耗の激しいカウンター攻撃が多い鳥栖だが、「したたかに戦うなら使い分けも必要だけど、いまのメンツならやり切ったほうが良い」と早坂が言うように、ネガティブには捉えていない。あくまでも自分たちの良さを出し切る構えだ。そのカウンターに持ち込むためにも良い守備が必要であり、即座に相手の出方を見極める適応力が求められる。それはつまり、鳥栖が常に意識している相手の良さを消し、自分たちの良さを出すということだ。(杉山 文宣)