長めのオフには連れ立って旅行に行くほど仲が良い江坂と清水だが、ピッチ上で共演する時間はあまり多くなかった。江坂が開幕前に負傷し、戻ったころには清水が負傷離脱するという巡り合わせに加え、プレースタイルの類似もその要因の一つだ。
ただ、仙台戦では同点に追い付かれ、家長の退場によって数的不利になるという状況で、ともにプレーする機会が巡ってきた。[4-4-1]の頂点に清水が入り、サイドハーフに江坂が入る形で始まった15分間の“共存”は、二人の連係で決勝点を奪うという最高の結末を迎えた。「あそこで(清水)慎太郎がターンした瞬間、『絶対来る』と信じて走ったら、すごく良いボールが来た」。江坂がそう振り返る決勝点の布石は、87分にあった。右サイドで抜け出した清水が速いクロスを入れたものの、ファーサイドへの江坂の飛び込みは間に合わず、シュートに至らなかったシーンだ。「来るとは分かっていたけど、疲れもあって反応できなくて申し訳なく思っていた」と江坂。このクロスから信頼を感じ取った江坂は90分、清水が左でボールを持ったときには覚悟を決めていた。
また、今回の得点を語る上で外せないのは、清水の完璧なクロスボールだろう。練習から「クロスを上げれば(江坂)任は絶対に入ってくれていた」と感じていた清水の信頼は前述のとおりだが、それにしてもスピード、タイミング、ポイントのすべてに一寸の狂いもなかった。そこにあったのは、プレースタイルが似ているからこその共通理解だ。
「僕が欲しいところに動いてくれるので、欲しいところは分かりやすい」(清水)。似た感覚を持つからこそ、迷いなく思い切り蹴れる。同系統のプレーヤーの共存の強みを出し切ったことは自信になるはずだ。「これからは慎太郎の出場機会も増えるだろうし、コンビネーションも増えてくると思う。しっかり結果に結び付けたい」(江坂)。
ホットライン確立へ。二人はその第一歩を踏み出した。(片村 光博)