この日の金沢はいつもよりボールを保持する時間が長く、バイタルエリアへの侵入にも成功した。これまでの試合と比べれば、チャンスの数は決して少なくなかったが、今季15回目の敗戦を喫する結果となった。
攻撃の連係に課題を残す金沢は、1点を奪うのが精いっぱい。先制されると勝利は遠のく。「スコアが動くと、自分たちも時間の経過とともに(前に)出ないといけない」(森下監督)。そして、前がかりになった裏を突かれて勝敗が決する。今節も大まかな“流れ”は今季幾度となく繰り返してきたものだった。
30試合を終えてわずか5勝。残留するためには、残り12試合で「4、5勝はしないといけない」(作田)だろう。現実は厳しい。ただ、中美と秋葉が加入してから、メンバーを固定できるようになり、守備は試合を重ねるごとに安定してきている。やはり、現実的な勝ちパターンは先行逃げ切りの1-0。先制点が早かろうが遅かろうが、とにかく失点しないことが重要で、流れとは関係なく、サイドからのクロスで安易に失点する悪癖は修正が急務。
そんな金沢の命運を握りそうなのが、新戦力のFWダビ。現状は助っ人になり切れておらず、全体の攻守のバランスが以前と変わってしまった。少しずつダビの守備意識は高まっているものの、まだまだ改善の余地がある。ファーストディフェンスが緩くては金沢の組織的守備は機能しない。守備が苦手でも攻撃で大幅なプラス収支を計上できたら良いが、違いを見せる場面は限定的。前への推進力が彼の特長ではあるものの、運動量がかなり少ない。真面目な性格で守備や連係向上の必要性は理解しているだけに、ここからうまくハマってくれると良いのだが…。(野中 拓也)