混沌のJ3を構成する3つのグループ
序盤戦は琉球、長野、大分、秋田、相模原らが入れ替わりで首位に立つ大混戦。本命は不在と言える展開だった。
今季のJ3は大別すると3つのグループに分かれる。栃木や大分、長野、富山らJ2昇格を至上命令とするグループ。鹿児島、秋田、藤枝、琉球、福島、盛岡ら“自分たちのサッカーを貫く”グループ。そして3つのU-23チーム。序盤の大混戦をもたらしたのは、二つ目の“自分たちのサッカーを貫く”グループだった。多くのチームがショートパスを主体につないで崩し切るスタイルに心血を注ぐ。華麗なパス回しから魅力的なゴールを奪うこともある反面、リスク度外視の攻撃によって失点を招くことも多々ある。だが、昇格を至上命令とするグループからすれば、降格がない彼らの捨て身の積極性や勇気こそが脅威となる。ただその中で、昇格組の鹿児島には浅野哲也監督の下で培ってきた継続性があり、高い戦術浸透度、攻守のバランスの良さが際立っている。
そして、育成を主目的とする3つのU-23チームでは、ときにムリキ(FC東京)、水沼宏太(FC東京)、藤本淳吾(G大阪)らJ1の一線級の選手たちが調整目的で参戦。個の力で勝ち点を奪い取ることもあった。
これらのJ3の特徴に適応すべく、昇格を至上命令とする栃木や長野は早々に現実路線にシフトし、リスクを最小限に抑える戦いでこれまで勝ち点を積み上げてきた。大分には自らのスタイルへのこだわりも見えるが、残り10試合はどうなるか。今後の昇格争いは、栃木、鹿児島、大分が大本命。対抗は長野。ダークホースは三浦泰年監督の情熱が浸透し、変貌を遂げる富山。現状では栃木が2位に勝ち点6差をつけて頭一つ抜け出ているが、昨季の劇的なラストを思えば現時点の差など意味を持たないだろう。(鈴木 康浩)