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J1リーグ 第10節
8/27(土) 18:00 @ 豊田ス

名古屋
1
1 前半 0
0 後半 1
試合終了
1
FC東京

Column 試合前コラム

[名古屋]小倉体制の終焉。歪みのあったチーム編成

2016/8/26 11:30

Photo: Yuta Muramoto
 最後の指揮となった前節・柏戦(1●3)。一人の選手が足をつるアクシデントに見舞われたとき、ベンチで慌ただしく動き回ったのは、ステンリー・ブラードヘッドコーチとボスコ・ジュロヴスキーアシスタントコーチ。本人は否定するかもしれないが、小倉GM兼監督は二人が決断するのを、ただ待っているだけのように映った。
 大改革の年に誕生した、小倉全権監督。指揮官にとって初めてのGM職、初めての監督挑戦だった。理想に掲げたのは、『5人目までが連動するサッカー』。チームスタイルの確立とチーム再建の二兎を追い求め続けたものの、攻守両面で明確な戦い方を作り上げることはできなかった。
 GMも監督も経験のない新人監督が直面したのは、やはり現実とのギャップだった。高さや速さといった明確な武器を持つ名古屋だからこそ、指揮官はポゼッションを軸に“何でもできる”を志したが、多くを求めたこともあり、次第に戦い方の臨機応変さを欠く試合が増加。もちろんピッチで共有し戦うのは選手たちだが、落とし込んできたことがうまくいかなかったときに外から修正していくのは指揮官の腕だ。しかし、困ったときに外から出る指示は乏しく、未勝利が続くにつれ、その視線は下を向いていった。2nd第5節の甲府戦(1●3)後は頑なにこだわってきた4バックをやめ、現実的な5バックへと舵を切ったが、攻守にチグハグな状況は変わらず。最後はクラブワーストの17試合連続未勝利。休養が発表されると、「監督という立ち位置のところで、良いガイドができなかった」と自らのマネジメント不足を謝罪した。
 また、GMとしても現実とのギャップに揺れた。シモビッチとオーマンの獲得には成功したものの、闘莉王、本多、牟田といった最終ラインの主軸を引き留められず、経験と人脈の乏しさからCBは3選手のみという偏った編成でスタート。だからこそそれを補う柔軟性と対応力が求められたが、指揮官が呼んだコーチ陣は育成畑を専門とするステンリー氏と、プロの現場は初挑戦の島岡健太氏。編成の失敗を補う指導力は望めなかった。頭にある理想のサッカー図を選手たちに落とし込む力、さまざまな事象に対応する柔軟性、そしてチーム編成…。休養勧告を受けた翌日、小倉GM兼監督は「GMとしての難しさも含め、いろいろなところで、やって初めて見えた部分もあった。簡単なことではない」と胸の内を明かした。
 とはいえ、責任の所在が監督一人にあるわけではないのも明白だ。なぜ、GMも監督も経験のない人物に全権監督という重責を負わせたのか。その背景にはさまざまなしがらみも渦巻いている。「私も含め、小倉さんをサポートできなかったフロントの責任。小倉さんだけの問題ではない」。久米一正社長の言葉が、虚しく響いていた。(村本 裕太)

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