■清水エスパルス
「当たり前のように勝つのは難しい」(河井)
昨季の天皇杯初戦は2回戦の藤枝戦。序盤に2ゴールを挙げるも、そこから怒涛の反撃に遭い、終わってみれば2-4の逆転負けで初戦敗退となった。「勝って当たり前と思われている中で、当たり前のように勝つのはサッカーでは難しいこと」と苦い思いを経験している河井は語った。
今回、清水は小林監督がメンバーを変更することを示唆している。ルヴァンカップがないJ2にあって、出場機会に恵まれない選手にとっては、チャンスの場であると言える。昨季はメンバーを11人総入れ替えで挑み、敗れた。しかし、それは苦戦が続くリーグ戦に向け、選手を少しでも休ませたいとの思惑の強い、後ろ向きのものだった。だが今回に関しては、「何人かの選手を公式戦で使えば、公式戦での動きを見ることができる。それは今後のリーグ戦につなげられる」と小林監督が話すように、先を見据えたものになりそうだ。
チームとして、この試合を落とすことで評価が下がることはあれ、勝って評価が上がることは、ほぼない。ただ勝つだけでは何も変わらないのだ。出場する選手にとっては、勝利よりさらに先にある、リーグ残り12試合の挑戦権を得る戦いになりそうだ。(田中 芳樹)
■関西大
ベンチも多士済々。前田雅文監督の采配にも注目
10年にインカレを制した関西屈指の名門校で、府予選の決勝ではJFL所属のFC大阪と対戦。2-0で完勝し、3年ぶり16回目となる出場をつかんだ。
指揮を執るのはG大阪在籍時代の05年にJ1通算1万ゴールを記録した前田雅文監督。引退後、大阪学院大のコーチを4年経験し、今季から母校の監督に就任した。青年監督は「元からポテンシャルが高い選手ばかり。持っている能力を引き出したい」と選手の個性を生かしたサッカーを展開する。
戦いのベースとなるのは最終ラインからのポゼッションだ。足元の技術に長けた諸石健太、鯉沼晃のCBコンビを起点にテンポ良くボールを動かし、試合を支配。中盤にも、派手さはないが堅実なプレーができる主将のMF石井光輝ら実力者を擁し、スピードに長けたFW竹下玲王と加賀山泰毅の2トップへ着実にボールを配給する。
守備も「真面目にやる選手ばかり」と前田監督が話すように、前線からの組織的な守りが徹底できる上、最後尾には大学屈指のGK前川黛也が君臨し、大崩れの心配はない。サブにもプロ入りが有力視されるMF布施周士やJ1仙台の練習に参加したMF平尾柊人など実力者がそろうため、前田監督の采配にも注目だ。(森田 将義)