サッカーを知る清水JY。勝負どころを見逃さず
決勝戦に勝ち残ったのはJFA福島U15と清水JYという“静岡勢” (福島第一原子力発電所事故によりJFA福島は現在Jヴィレッジから御殿場高原時之栖に移転中)。U-15東海リーグなど各大会で常に競い合う関係にある両チームの激突となった。
先制点は一進一退の流れの中から17分に生まれる。清水のFW山崎綾介が単独突破から送ったラストパスをJFA福島U15のDFがクリアし切れず。こぼれ球をMF青島健大が流し込む形で試合は動き出した。
この先制点で、ピッチを広く使ってパスを回すJFA福島U15、強気のラインコントロールからショートカウンターを狙う清水という構図が徐々に鮮明になっていく。清水からすると、「受け身になっていて、やりたいサッカーができていたわけではない」と岩下潤監督が言うように、不本意なゲーム内容ではあった。
ただ、「最悪の内容でもやれることはある」とFW青島太一が語り、「清水の子はサッカーを知っている」とJFA福島U15の船越優蔵監督が感嘆したように、ボール支配で負けていても、勝負どころを察して戦えるのが清水JYの強さだった。前半終盤に受けJFA福島U15の猛攻を耐え切ると、逆に後半立ち上がりには2トップのメリットを活用したカウンターで、青島太が追加点。この1点で勝負の流れは大きく傾いた。
ボール支配率では試合を通じてJFA福島U15が優位。しかし、シュート数で8対15と清水JYが上回ったことからも分かるように、よりゴール前で怖さを出し、相手に出させなかったのはオレンジ軍団だった。
JFA福島U15の船越監督は「個でも組織でも差があった」と脱帽。清水JYがFW北川航也(現・清水)らを擁した11年度以来5年ぶりの優勝を飾った。
ゴールデンウィークに行われたJFAプレミアカップも制している清水にとっては、これが今季二つ目のタイトル。ここからは冬の高円宮杯を含めた「三冠を狙う」(青島太)ことになる。(川端 暁彦)