浦和との対戦は昨季から5試合目。すべての試合をミラーゲームで挑んできたネルシーニョ監督だが、過去の試合はことごとくホロ苦い結果に終わった。初戦は昨季のJ1・1st第16節(1△1)。引き分けこそしたが、眼前で浦和に1stステージ優勝を決められた。2戦目は昨季の2nd第17節(2●5)で、3戦目は昨季の天皇杯準々決勝(0●3)。2試合ともに浦和のボール回しに後手に回り敗れた。そして、今季の1stステージでの対戦(第17節・1●3)でもオーガナイズの逆を突かれて失点を重ねている。
ただ、今回は3人のCBが興梠、武藤、李から自由を奪った。CBの中央を務めた伊野波は「タク(岩波)が(リオ五輪から)帰って、祥平(高橋)と3人は初めて。準備する時間はあまりなかったが、練習で手ごたえはあった」と話す。クサビのパスから素早いコンビネーションで相手の逆を突く浦和の崩しには、CBによる前に出るディフェンスの成否がカギだ。神戸は縦パスを何度も出されたが、3人のCBは自らの役割を遂行した。そして、ボールを奪い切れば、得意のカウンターに素早く持ち込む。伊野波はボール保持できなかった展開に反省を込めたが、「紙一重のシビアな試合。これを勝ち切れたのは今までの神戸になかった」と手ごたえを口にした。サイドを突破されても、3人のCBが最後まで崩れなかったことが勝機を手繰り寄せた大きな要因となった。過去4戦とは明らかに異なり、“良い守備が良い攻撃を作る”ネルシーニョ監督のサッカーが浦和戦でようやく実現した。
ただ、伊野波はこうも続ける。「これを継続していかないといけない」。3バックに自信を深めた中で、ルヴァンカップ準々決勝・浦和戦をどう戦うか。悲願のタイトルへの道は、これから険しさを増してくる。(小野 慶太)