福岡には負けたくない
―31日から準々決勝が始まるルヴァンカップについて聞かせてください。いきなり古巣の福岡と対戦することになりました。
「まさかこんな日が来るとは思っていませんでした。福岡を出てから、FC東京でお世話になって、このタイミングで監督になってカップ戦で対戦する。ある意味ありがたいですし、幸せ者だなとも思います」
―井原監督のチームの印象は?
「手堅いサッカーをしてきますし、カウンターやセットプレーも工夫してくる。いやらしいチームですね。現に今季は2敗(1st第9節・0●1、2nd第3節・1●2)していますから。ただウチもその2試合ではチャンスをたくさん作っていました。今度はしっかり突き放すというイメージを持って戦いたいです」
―福岡の城後選手が「篠田監督は影響を受けた監督の一人」だと話していたそうです。
「よくできた選手ですね(笑)。彼は苦しい中でもずっと福岡を守り続けています。昨季、井原(正巳)さんが監督になってJ1昇格を果たしたときは、本当に僕もうれしかったです。城後はいろいろなチームからオファーがありながらも、それを毎年断っていました。いつも相談されていたんですけれど、正直僕は『移籍して挑戦してみろ』と、いつも言っていました。だけど、彼は最終的には自分で答えを出して、『福岡を何とかしたい』と言って残ってきました。J1で対戦できたときはうれしかったですし、今季はリーグ戦で彼らに勝ち点6も取られています。ただ次はコーチではなくて、監督として対戦します。変な感覚になるかもしれないですし、やっぱり監督として博多の森(レベルファイブスタジアム)のアウェイベンチに座るなんて想像もしていなかった。でも、もう福岡には負けたくないですね」
―楽しみな感情ですか、それともメラメラと闘志が湧いていますか?
「闘志のほうが強いですよ。負けたくないです、福岡には」
―ルヴァンカップは当然タイトルを狙う大会になります。
「リーグ戦と分けて考えるというよりも、リーグ戦で取り組んでいることを継続してカップ戦の試合でも表現したいです。ただ、トーナメントなので次のステージ(準決勝)に進むことが目標。そこは、特別な意識で戦わないといけません。優勝を目指しますが、まずはベスト4に進出すること。一つずつ勝っていくという意識は、リーグ戦と変わりません。とにかく福岡とのホーム&アウェイ戦で彼らに勝ちたいです」
―最後にリーグ戦も含めた今季残りのシーズンへの意気込みをお聞かせください。
「本当に(選手)みんなも新たなスタートを切って、変わろうという意識を持っています。僕も選手と一緒にチームを立て直したい。リーグとカップ戦がありますが、まずは目の前の試合(が大事)。結果にこだわりながら、試合に臨んでいきたいです」
おわり
取材日:8月16日 聞き手:西川 結城 写真:徳丸 篤史
篠田 善之(しのだ・よしゆき)1971年6月18日生まれ、45歳。山梨県出身。選手時代は機山工高→甲府SC→中京大を経て、95年に福岡ブルックス(96年からアビスパ福岡)に加入。04年に現役を引退したあとは福岡U-18コーチやトップチームのコーチを歴任し、08年7月にトップチームの監督に就任。10年にはJ2・3位に導き、J1昇格を達成した。翌年8月に福岡の監督を解任されたあと、12年からFC東京のトップチームのコーチを務めていた。今年7月に城福前監督の後を継ぎ、FC東京の監督に就任。