Photos: CORACAO
この天皇杯1回戦をどう位置付けるか。先週の週始めは丸岡や庄司の名前も挙げつつ、若手の起用をほのめかしていた大熊監督。実際、試合3日前の紅白戦では、庄司を3バックの一角で起用する場面も見られた。さらにその紅白戦では、ここのところトップチームの公式戦から遠ざかっている田代や椋原、リカルド・サントスを先発組で起用する時間帯もあった。それでも内容的にしっくり来たのは、先発組に丸橋や松田、杉本を戻してからの時間帯だった。
そして試合2日前の11対11では、今回の天皇杯1回戦の先発と同じ11人がピッチに並んだ。直近のリーグ戦であるJ2第30節・金沢戦(3○1)から比べると、韓国代表でチームを離れたキム・ジンヒョンに代わりGKに丹野が、日本代表でチームを離れた山口に代わりボランチにソウザが入った以外は、山下と玉田が外れ、藤本と澤上が入るに留まった。
藤本については、3バックの底上げを図る狙いもあっただろう。次に累積警告で出場停止になると2試合の出場停止となる田中や、茂庭、山下のコンディションも含め、少しでも3バックの層を厚くさせておきたい意図が感じられた。今季、トップチームでは初先発となった藤本だが、球際の激しさは健在で、復帰後初めて90分プレーできたことは収穫だった。
また、ここまでは途中から出てサイドでプレーすることが多かった澤上は、トップチームでは初めて1トップで先発。背負った状態からの強烈なシュートはインパクト十分で、1得点1アシスト1起点と結果も残した。
昨季の天皇杯1回戦では、リーグ戦から大幅に選手を入れ代えた中で、JFLのFC大阪に敗れる失態を犯したC大阪だが、今季は“継続”を重視した選手起用で、藤本と澤上を戦力に組み込むことにも成功。庄司ら若手のプレーが見たかった思いもある一方で、公式戦の重みを大事に、あくまで「競争」(大熊監督)の原理を働かせて勝利をつかんだ天皇杯1回戦のマネジメントだった。 (小田 尚史)