奈良クラブと聞いて、あの選手を思い浮かべる柏サポーターは少なくはないはずだ。クラブが初めてJ2を戦うことになった06年に加入すると、ピッチ内はもちろん、ピッチ外でも大車輪の活躍をした男。あの岡山一成が日立台に戻ってくる。
ともにプレーした大谷は「1回戦はメンバー外だったと聞いたので、(対戦できるかどうかは)オカさん(岡山)次第」と冗談交じりに笑うが、「1回目にJ2に落ちたときにサポーターとクラブと選手との関係性を作り上げたのは間違いなくオカさんだし、ものすごく感謝している。ピッチで戦えたらうれしい」と再会を心待ちにしている。柏での同期にあたる桐畑も「オカさんはこのチームがもう1回上を目指そうとしたときにいた偉大な選手。会いたいですね」と話す。
いまとなってはお馴染みの「レッツゴー柏」。柏が勝利した際に選手とサポーターが一緒に歌うことを発案したのも岡山だ。当時を知る主将は「最初はオカさんの一声と行動力で決まった。ああいう人だから、みんなで練習させられた(笑)」と懐かしそうに振り返りながらも「これを機にもう1回、岡山一成という選手の存在を知ってもらいたい」と敬意を示す。
もう10年前のことであり、岡山のことを知らないサポーターもいるだろう。しかし、いまでも彼の“置き土産”がチームには残っている。真っ黄色に染まったスタジアムに凱歌を響き渡らせることが“背番号32”への最大の恩返しになる。(須賀 大輔)