Feature 特集

[天皇杯・奈良クラブ]日立台から持ち帰った課題と手ごたえ/柏×奈良クラブ 天皇杯2回戦コラム

2016/9/7 6:00


Photo: Atsushi Tokumaru
 ベンチに引き上げる奈良クラブの選手の表情はJ1クラブを苦しめたという満足感よりも、勝てなかったことに対する悔しさが色濃かった。それもそのはずで、この試合で自分たちのサッカーを披露していたのは奈良で、柏と途中まで互角以上の戦いを繰り広げた。ジャイアントキリングへあと一歩のところまで迫り、柏の下平監督に「奈良クラブさんがファイトをしてきて、本当に健闘を称えたい」と言わしめた。
 奈良の中村敦監督はこの試合で「ボランチが落ちてきたりして、GKからボールを受けようとするけど、そこにも全部プレッシャーを掛けて全部蹴らせる」というゲームプランを立てた。それを選手たちが忠実に遂行した。相手のゴールキック時も2トップがCBを見張り、パスを出させず。流れの中でも、ボランチやSBにボールが入ると、2、3人の選手が鋭い出足でプレスを掛け、特に前半は高い位置でボールを奪う場面が多く見られた。柏の中谷も「(相手がハイプレスを掛けてくることは)予想していなかった。正直、慌ててしまった部分もあったし、思っていた以上の圧力だった」と振り返った。
 それ以上に目を見張ったのが攻撃面である。ボールを奪ってからのカウンターだけでなく、向慎一と中村謙吾の両ボランチを中心にビルドアップ。前線では2トップと両サイドハーフの4枚が流動的に動きながら、ボールを引き出し、柏ゴールに迫る。試合前、柏の選手たちが「奈良クラブはちゃんとサッカーをしてくる」と話した姿がそこにはあった。
 それでも結果は敗戦。明らかに足が止まった70分以降は柏の強烈な個の力の前に屈し、逆転を許した。しかし、試合後はさまざまな感情が織り交ざって涙した岡山一成が「もっと上のレベルでやるために何をしないといけないか分かった」と口にしたように手ごたえをつかんだ。その自信を胸にこれからも奈良は歩みを止めることなく進んでいく。(須賀 大輔)

関連カテゴリ

EG 番記者取材速報

League リーグ・大会