Photos: Asami Fujimoto
幸先良く先制するもピンチも招いた神戸
神戸が後半にはわずか4分で3得点を奪うなど、ゴールラッシュで3回戦進出を決めた。ところが、試合後の選手の表情は夜空に幕を張った雨雲のような鈍色だ。渡邉は「もっと圧倒しないといけなかった。それを出せなかった」と悔しげ。カテゴリーが大きく下の鈴鹿アンリミテッドを相手に点差こそ開いたが、神戸にそれを喜ぶ選手はいなかった。
神戸は6分に幸先良く先制に成功した。“下剋上”を狙う相手に禁物なのは、攻めながらも得点が奪えず焦りをかき立てられること。それを打ち破ったのは6試合ぶりに公式戦先発を飾った石津だ。バイタルエリアで鋭く右足を振り抜き先制点を挙げると、その4分後には、石津のスルーパスを渡邉が決めた。ただ、徐々に鈴鹿も持ち味を発揮し始める。サイドからのクロス、クサビのパスなどを随所に入れ、北野純也や矢野純平が鋭いシュートを放った。だが、岩波、高橋祥で組んだ中央の守備は堅く、逆に神戸は43分にペドロ・ジュニオールがチーム3点目を挙げた。
ただ、試合を振り返った岩波が「一人ひとりがやりたいプレーをしてボールを取られてカウンターが多い」と苦々しく話すように、後半は反攻に出た鈴鹿に神戸が押し込まれ、何度もピンチを招く。それでも神戸の強みは前線のアタック力。64分に中坂、66分に再びペドロ、68分に藤田直之がミドルシュートを豪快に決めて点差は一気に開いた。鈴鹿は76分に柿本健太が頭で沈めて一矢報いたが、87分には増山も得点し、計7得点のゴールラッシュで神戸が勝利を収めた。
鈴鹿の渋谷亮は「自分たちのいま持っている力は出せたが、その結果がこれだった」と悔しがる。ただ、勝ったはずのネルシーニョ監督もまた、「もっと高いレベルを求めないといけない試合だった」と手厳しく言い放った。(小野 慶太)