Photo: Atsushi Tokumaru
追加点が奪えないイヤな流れ。課題を残した一戦
チーム力の差は歴然としていたが、簡単な試合にはならなかった。気温はタイのこの時期にしてはそれほど暑くなかった。しかし、試合直前に雨が降ってきたこともあり、劣悪なピッチは軟弱さを増して、まともにボールをつなぐのも難しい状況となった。
しかしながら、日本は高い位置からのプレスと浮き球を織り交ぜたワイドな展開でタイの守備を揺さぶる。本田圭佑、原口元気を起点に酒井宏樹と酒井高徳の両SBが外を追い越してチャンスを作った。特にUAE戦でO.アブドゥルラフマンの対応に追われていた酒井高は挽回とばかりに果敢なチャレンジを続ける。攻守にハードワークが目立つ原口とのコンビは日本の攻撃に勢いをもたらした。また、カウンターをしかけられそうになっても、山口蛍が素早いチェックでつぶし、次の攻撃につなげる。19分には、その山口のパスを起点に酒井宏がクロスを上げ、ファーサイドに飛び込んだ原口がヘッドで合わせて先制ゴール。
ここまでの流れは良かった。しかし、その6分後に浅野拓磨のショートクロスを本田が空振りすると、イヤな空気が流れ始める。チャンスを作ってもラストパスが合わず、シュートに持ち込んでもGKカウィンの好セーブに阻まれるなど、なかなか追加点が奪えない。70分にはカウンターからチャナティップの縦パスにエースのティーラシンに抜け出されるも、飛び出したGK西川が至近距離でセーブし難を逃れた。その後もタイに押し込まれる時間があり、リズムが上がらない日本。ところが、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が武藤嘉紀の投入を準備したところで、追加点が生まれる。75分、相手のクリアミスから長谷部誠が前線にボールを送り、飛び出した浅野がタナブーンと交錯しながら粘り強く流し込み、勝負を決める2点目を挙げた。
厳しいプレッシャーの中でアウェイの難しい試合をモノにできたことは確かな前進だが、多くの課題をチームに認識させる内容だった。(河治 良幸)