Photo: Norio Rokukawa
永遠の課題はコンディショニング
「コンディショニング」。振り返れば歴代の日本代表監督が多用した言葉が冒頭に挙げた一言である。古くは90年代初頭に指揮を執っていた日本人監督・加茂周氏は代表合宿について、「トレーニングをする場というより、むしろリーグ戦で疲れた個々の選手の疲労を取り除くのが主」と語っていた。海外組がまだいなかった時代である。海外組が増えてきたジーコジャパンでは、時差調整に苦しんだ中田英寿を先発で使い続けた。結果、チームは崩壊。海外組が主体となったザックジャパンでは、アルベルト・ザッケローニ監督は会見で「課題は」と聞かれると、いつも「コンディショニング」と答えていた。彼の場合、コンディショニングの対象となった選手は、おしなべて海外組のみだった。
翻ってハリルジャパンである。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も日本ローカルの問題に直面している。しかし、歴代の監督はその問題に直面しながらも、アジアでは結果を出してきた。ましてや継続して同じコンディショニングコーチが選手のケア、マネジメントをしているのだ。食事面も含めてサポート体制はこれまでより充実している。
国内組はコンディションが良くても「プレーの強度が弱い」とは、タイ戦前日の会見での指揮官の言葉だ。確かにUAE戦で大島僚太は川崎Fでのサッカースタイルを貫き、結果、失点に絡んだ。タイ戦では展開力のある柏木陽介ではなく、人に強い山口蛍を当ててきた。これはUAE戦の起用ミスを、監督自らが認めたに等しい。結果論から言えば、第1戦こそ山口が必要だった。原口元気、浅野拓磨と、先発したこれまでのサブ組が結果を出したことも含めて、1戦目のミスリードを、ハリルホジッチ監督はタイ戦でどうにか取り戻した格好だ。
豪州がUAEを下し、サウジアラビアも2連勝。3位で追うのが日本という位置取りとなった。10月に2連敗中のイラクを叩きつぶし、メルボルンで豪州から11年のアジア杯決勝以来の勝利(90分では引き分けだが)を挙げるには何が必要か。ハリルホジッチ監督と同じ旧ユーゴスラビア出身である浦和のペトロヴィッチ監督は、ズラタンという長身FWをベンチに置いている。空中戦は人数をかけても防ぐことが難しい。吉田麻也、森重真人以外の空中戦要員が必要なのは、自明の理である。そうした戦い方が必要なことも、ようやく当事者の選手たちも分かってきたはずだ。(六川 則夫)