2点目を奪うとGK西川がベンチに駆け寄り背番号7のユニフォームを掲げた。槙野も加わり、遠藤も笑顔で手を掛ける。試合後には柏木がそのユニフォームを背番号が見えるよう前後逆に着て勝利の『Weare Diamonds』を歌った。ゴール裏には4日のルヴァンカップ準々決勝第2戦・神戸戦(4◯0)同様、「梅、待ってるぜ」という横断幕が掲げられていた。
試合2日前の8日、梅崎が左ひざ前十字じん帯損傷で手術を行い、全治6カ月の見込みであることが発表された。今季絶望の大けがだった。
12年は主にワイド、13年以降は主にシャドーでレギュラー級の活躍を見せた梅崎だったが、今季は前節までのリーグ戦27試合で19試合出場に留まり、先発はわずか6試合。そんな状況で迎えた8月31日のルヴァンカップ準々決勝第1戦の神戸戦(2◯1)。梅崎はブログで「相当な覚悟で臨んだ」と振り返った。しかし、「技術、体が追い付かなかった」。そして終了間際にアクシデントが起きた。
大分U-18からのチームメート、GK西川は「やっと先発で出た試合の終わりかけだったのに」と語り、「神様は試練を与えるな…」と続けた。練習ではパス回しなど、梅崎といつも同じグループで行っている宇賀神は「自分たちの前では一度も落ち込んだ姿を見せなかったけど、本当はすごくつらいと思う」と気遣った。そして二人とも「(梅崎)司に頑張っている姿を見せたかった」(西川)、「ウメちゃん(梅崎)のためにも、という気持ちがあった」(宇賀神)と今節はいつも以上に“勝利したい理由”があったことを明かした。
梅崎はTwitter上で西川や槙野のパフォーマンスに感謝すると、西川のメッセージに「また頑張る理由が一つできたよ」と返した。先の西川の言葉に使い古されたフレーズを加えるとするならばこうなるだろう。「神様は乗り越えられる人にしか試練を与えない」(菊地 正典)