まさに今季、首位を走る札幌の“勝負強さ”が発揮された一戦だった。前半は群馬の最終ラインの裏を突き10分に都倉が先制点を奪うも、「相手の勢いが良く、ミスが出たり、押し込まれて流れが悪くなった」と四方田監督が振り返ったように、札幌は攻守ともにアグレッシブな群馬の勢いに押し込まれた。さらにウイングバック、CB、ボランチの間のスペースを巧みに突かれたことで、札幌の武器である強固な守備が何度も崩され19分にはカウンターから瀬川に同点ゴールを許してしまう。「完全に狙いどおりだった」(松下)という群馬の勢いは前半を終えても衰えず、後半も札幌ゴールを脅かす。 しかし、それでも最終的には勝ち点3を積み上げてしまうのだから、今季の札幌の強さは見事なもの。終盤に石井、都倉が立て続けにゴール前のスクランブルから得点を奪い、完全に群馬のペースで進んでいた試合をしたたかにモノにした。これはもう、一つひとつの試合の主導権はさておき、リーグ全体の流れを札幌が掌握していると言ってしまっていいだろう。「1位と15位との差が最後に出てしまった」と服部監督が評したように、首位をひた走る札幌の勝負強さは、理屈では説明がつかない。チームのベースとも言える堅守に綻びが見えてもなお、それが決壊せず、逆に我慢の末に得点を重ねているのだから。この勝利で自動昇格の4文字がよりクッキリと浮かび上がってきた。(斉藤 宏則)