格が違った。77分、ゴール裏の大声援に迎えられながら大前元紀が約3カ月ぶりにピッチに登場。直後の79分には、3人目の動きで走り出し、枝村のパスにワントラップからシュート。これは相手DFに当たりゴールを外れたが、期待は高まった。そして、81分。白崎のパスにワンタッチで抜け出すと、田代がたまらずユニフォームを引っ張って止める。これで田代は一発退場。そして、大前は自ら得たFKをセットすると、ゴール右スミに鮮やかに流し込んだ。
チームは試合序盤、山形のハイプレスに苦しんだ。それでも、GK植草を中心に耐え抜くと、前半ロスタイムに、カウンターから枝村が押し込み先制。最高の形で迎えた後半だったが、チャンスを作りながら追加点を奪えない状況に、業を煮やした小林監督が大前をベンチに呼び寄せる。「ベンチを見ると、背番号10が見えていて、(交代は)自分だろうなと。交代する前に、何か見せ場を作りたいと思っていた」と金子が意地を見せて追加点を挙げ、そして、8分後に大前が3点目を決めた。
しかし、いつものように得点を重ねていた清水だったが、87分にはセットプレーから失点。課題を残す試合になった。また、千両役者の復帰にもかかわらず、観客数は今季4番目に少ない8,646人。上位との差がなかなか縮まらない現状も含め、大前の復活をチーム全体の勢いに変えていきたいところだ。(田中 芳樹)