■大宮アルディージャ
いまの大宮が見据えるのはさらなる高み
前節・広島戦(1○0)の勝利によって、大宮のJ1残留が確定した。過去の成績を鑑みれば、目標達成と言っていいのかもしれない。しかし、地道に勝ち点と内容を積み上げてきた今季のチームにとって、残留は最低限のノルマであって、あくまで通過点でしかない。
主将・菊地は残留決定について問われ、一つうなずいてから語った。「それは大宮だから言われることだと思う。これが優勝を争うチームだったら言われない。そういうクラブのようにならないといけないし、残り6試合で一つでも上に行けるようにやっていきたい」
残留に安堵するのではなく、可能な限り上を目指していく――。新たなフェーズの幕開けとなる一戦の相手が、年間勝点1位の川崎Fというのは悪くない。1stステージ最終節(0●2)では決して相手の調子も良くない中、自分たちから崩れて勝ち点3を献上した。あれから約3カ月。チームの立ち位置をリアルに見極めるための舞台が整えられた。
また、今節は年に1回の熊谷開催でもある。指揮官にとっては2年前、監督就任後初のリーグ戦・鹿島戦(J1第23節・2○1)を戦った場所でもある。昨季はC大阪(J2第32節・1●2)に敗れただけに、挽回が期待される。
「熊谷のほうの方はなかなかNACKに来られないだろうし、初めて来る方もいると思う。フロンターレは首位だし、魅力あるサッカーをやっているが、『大宮もやるな』と思わせるようなゲームにしたい」(渋谷監督)。
大宮が“さらに上”を目指すに値するチームであることを、熊谷のピッチで証明する。(片村 光博)
■川崎フロンターレ
“CB・田坂”を継続。戦えることを証明したい
川崎Fとしては特段変わった準備をすることなく、自らの立場や周囲の声にも影響を受けることなく、いつもどおり勝ち点3を取りにいくだけ。ただ、ここでの勝ち点3は、実は大きな意味を持つ。
現在年間勝点で首位にいる川崎Fと、4位のG大阪の勝ち点差は『16』。今節を含めた残り6試合で逆転可能な数字ではあるが、ここで仮に川崎Fが勝利を収めれば、この差は残り5試合で逆転不可能なものになる。それはすなわち、川崎Fが16シーズンの王者を決めるJリーグチャンピオンシップへの出場権を獲得することを意味する。J1で準優勝して以降、毎年のように監督や選手から「初タイトルを獲る」という強い言葉が出ながらも、シーズン中盤から不安定さを露呈し、数試合を残して優勝の望みは潰えていた。ただ、この大宮戦で勝利をすれば、初戴冠の可能性をシーズンの最後まで残すことができるのだ。そう考えれば、言うまでもなくこの試合の持つ意味は大きい。
14日には左脛骨骨折で5月から戦線を離脱していた奈良がついに練習に戻ってきたが、いまだに最終ラインの人員には悩まされている。ただ、前節の福岡戦(3○1)で講じた[3-4-3]の3バックの右に田坂を配置する形が大成功。今週の練習でもこの形を続けており、“CB・田坂”は今節でも見られそうだ。
チームとしてもこの形で最後尾から配球力が増し、攻撃に厚みがついたことは大きく、敵陣に重心を置いてサッカーをしたい川崎Fにとっては新たなオプションになる。とはいえ前節の福岡とは戦力の差が明確だった。大宮相手にもこの形で“戦える”ことを証明したい。(竹中 玲央奈)