受けに回った青赤は力なく失点を重ねる
「前から、思い切ってプレスを掛けていきます」
試合直前、FC東京の篠田監督は力強い口調で言い切った。そしてその言葉どおり、浦和相手に果敢に圧力を掛けて行くFC東京の姿がピッチにはあった。
浦和や広島が採用する[3-4-2-1]システム。局面で可変していく彼ら独自の戦い方への対策は、J各クラブ共通の頭痛の種である。同じ布陣を当てはめて“ミラーゲーム”に持ち込むか、チームの基本布陣は変えずに全体の重心を低くしてスペースを消すか。そのどちらかがセオリーと言える。
FC東京は、あえてセオリーを無視した。いつもと同じ[4-2-3-1]の配置。そこから強烈なプレッシングを浦和に掛けて行く。「前から行って、GKの西川選手をゲームメーカーにしてしまえば良いと。彼からの長いボールには対応できていた」(篠田監督)。阿部や柏木のボールさばきを中心に展開される丁寧な浦和のビルドアップ。その攻撃の発信源を、激しい圧力で打ち消していく。「前半は自分たちの戦いが全然できなかった」。浦和のペトロヴィッチ監督の言葉が、展開の優劣を鮮明に物語っていた。
後半開始早々に、FC東京は中島が得たPKを森重が決めて先制する。「ゲームプランどおり」(徳永)の展開。しかし、浦和相手に見せた気概あるアクションが、多湿な気候の中で90分間持続できるとはハナから想定していなかった。徐々に浦和が押し込んでいく。FC東京は丸山、高橋と守備要員を投入し、今度はミラーゲームに持ち込む。その結果は――。 浦和の怒涛の攻撃力の前に、受けに回ったFC東京は力なく失点を重ねていった。77分の李、85分のオウンゴール、87分の興梠と、すべてのゴールをサイドで押し込まれたところから奪われた。
激しく相手を追い立てた。しかし最後は、脆くも粉砕されたFC東京。篠田監督の旺盛な挑戦心でも、04年以来の味スタでの浦和撃破は実現できなかった。(西川 結城)