気温29.3℃。その中で勝負を分けたものは
残暑厳しい9月中旬の14時キックオフ(今節では唯一のカード)は両チームにとって過酷な設定だった。ここまでリーグ戦フルタイム出場を続けている38歳の中澤は「14時キックオフということでお互いに疲弊していた」と振り返る。前節からの連戦ではなかったものの、公式記録上には気温29.3℃と記されている。時間経過とともに足が止まるのも無理はない。
横浜FMはけが人続出で2種登録のユース所属・坂本がベンチ入りする苦しいチーム事情だった。その試合に勝利した決め手は、効率良い攻撃とフィニッシュの精度である。後半開始から間もない48分に決勝点を挙げた中町は「1点目も2点目も3点目も効果的な時間帯に決められたと思う」と勝因を口にした。
試合序盤こそポゼッションをベースに相手陣内へと攻め込む新潟のリズムだったが、たった一つのミスによって先制ゴールが生まれる。29分、左SB金井のクロスを新潟DF陣が処理できず、「相手がかぶると思った」と話す兵藤が巧みなトラップから右足で冷静に流し込む。単純なミスから手痛い先制点を献上したことについて吉田監督は「あそこであのレベルのプレーをしてはいけない」と厳しい口調で振り返った。
横浜FMの追加点は前記したように後半が始まってすぐの時間帯だった。相手陣内でボールを奪った栗原はすかさず中町へ。中町の狙いすましたシュートがゴールネットを揺らし、価値ある追加点を手にした。
反撃に出る新潟は67分にコルテースのクロスからラファエル・シルバが押し込んで1点差に詰め寄る。しかし、横浜FMは失点の3分後の70分に、手数をかけないカウンターから前田が移籍後初ゴールを記録。スコア上は終始リードした横浜FMが2連勝を飾った。
新潟にも勝ち点3を手にするチャンスはあったが、決定機を決め切れなかった。対して横浜FMは「決めるべきときに決めた」(中澤)ことが勝因となり、2ndステージの優勝争いに踏みとどまった。(藤井 雅彦)