警戒していたはずの柏のボール回しに苦しめられた。ペドロ・ジュニオールがアンカーの秋野をケアし、小林、栗澤のインサイドハーフは藤田、高橋祥が密着マーク。ディエゴ・オリヴェイラには伊野波が激しくチャージした。だが、柏のCBを制限できていないため、ビルドアップを容易に許してしまった。それでも、大きかったのはゴール前を崩されなかったことだ。前後半でハッキリと“良い・悪い”が割れる神戸の典型的な試合だったが、劣勢の時間帯を1失点にしのいだことが後半の逆襲につながった。試合前、伊野波が想定していた「我慢比べ」の展開で決して負けなかったことが、レアンドロの同点弾の呼び水となったことは間違いない。
ただ、“負けなかった”が、勝つこともできなかった。これが現実だ。藤田は「タイトルを獲るためには『1』では足りないと正直思う」と話す。今節、浦和が勝利し2ndステージ首位に立ったことで勝ち点差は『5』に広がった。しかし、藤田は試合前、「優勝するチームは良くない試合でも、引き分けか1-0で勝っている」とも話している。粘り強さ、勝利への執念、初タイトル獲得と本気で向き合う強い意思。それらはこの日のピッチから明確に伝わった。“敗戦”が迫る重圧を乗り越えた末の勝ち点1は、確かな成長の証左だった。
三原は前を向いている。「負けなかったことを第一に考えたい。次しっかり勝てばこの引き分けは無駄にはならない」。(小野 慶太)