ストライカーと守護神が最高の仕事。横浜FCにとってホーム最高の夜
京都の石丸監督が試合後に何度も「もったいない」と繰り返したように、横浜FCの快勝ではあったが、完勝ではなかった。それは当の中田監督も認めるところで、特に前半は「最終ラインにプレスを掛けられたのは予想どおりだったが、思った以上に攻撃がロングボール一辺倒になってしまった」。
京都にとってはプランどおり。高い位置で引っ掛けてのカウンター、ロングボールを蹴らせてセカンドボール回収からの遅攻で横浜FCを押し込む。しかし、13分にそのロングボール対応でファウルを与え、イバのFKから失点したことで、「プランが崩れた」(エスクデロ)。加えて、追い付くために「個々人が欲張り出した」(佐藤健太郎)ことで、「自分たちからバランスを崩してしまった」(石丸監督)。横浜FCの守備ブロックはお世辞にも堅固とはいえず、エスクデロの重戦車ドリブルで何度も切り裂かれ、サイドでは堀米に再三裏を取られた。ただ、京都は個々に光るプレーはあっても、チームとして連動せず、横浜FCの体を張った守りにはね返され続けた。
横浜FCは58分にイバの追加点で流れを決定付けると、重心を下げて守りを固める。京都が高さでこじ開けるために195cmのFWキロスを投入すると、すかさず188cmのDF楠元をピッチに送り、5バックで応戦。終盤に2度のPKを与えてしまうが、GK南が2度の神がかりセーブで流れを死守した。 ストライカーと守護神が最高の仕事をやってのけた。流れを作ったイバと、流れを守った南。どちらもMOMにふさわしい。これで6位・京都と勝ち点4差になり、J1昇格プレーオフ圏をはっきりと射程にとらえた。試合後には54歳の指揮官が側転で喜びを爆発させた。横浜FCにとってホームで最高の夜だった。(芥川 和久)