試合後の長良川は、優勝したかのような歓喜に揺れていた。それもそのはず、J2残留を目指す岐阜が13試合ぶりの勝ち星で、吉田体制初の白星。そして何より、3月26日以来のホーム戦勝利だった。
大雨の影響でこの日のピッチは水浸し。キック&ラッシュによる我慢比べが予想された中、試合のポイントは早々に訪れる。2分、警戒していたCKから先制を許した岐阜は明らかに動揺したが、直後のワンプレーで展開は一変。7分、シンプルなロングボールに激走したレオミネイロが最終ラインの背後に抜け出すと、追走した愛媛の浦田に倒される。このプレーをしっかりと見ていなかったのか、前田拓哉主審は副審に確認したあとに一発退場を宣告。酷な判定にも見えたが、愛媛は残り時間を10人で戦うこととなった。
数的優位に立った岐阜はここから圧倒的にボールを保持。それでも安全なプレーが多く脅威を与えられない岐阜だったが、指揮官やGK高木に発破を掛けられた後半に躍起し、攻勢を強めた。すると53分、相手GKの処理ミスを突いて岐阜が同点ゴールを奪う。その後は10人の愛媛が素晴らしいハードワークを見せスコアが動かない時間が続いたが、最後は岐阜の執念が上回った。
後半ロスタイム、右からのCK。途中出場のレオナルド・ロシャの蹴ったキックは直接ゴールに吸い込まれ、その瞬間、長良川に約半年ぶりの歓喜が訪れた。(村本 裕太)