森保監督が率いるチームには常に“堅守”が土台にある。しかし、いま、その土台が揺らいでいる。ルヴァンカップ準々決勝第2戦(3●6)でG大阪に6失点したインパクトが大きいだけではない。前節・鳥栖戦(3○2)も3点をリードしたあとから2失点して薄氷の勝利となった。失点の内容を振り返るとセットプレーからが多く、マンツーマンで守っている以上は個々の責任が重大だが、誰か一人が続けてやられているわけではない。失点が増えているのはチームの歯車がかみ合っていないから起こっていると捉えたほうがいい。
塩谷は現状に「問題を感じている」と語った後、複雑な表情を浮かべながら続けた。「修正しないといけないが、そう簡単にはいかない。良い試合をしていても、本当に一瞬のスキでやられている。チーム全体の意識の問題だと思う」。
そして、森保監督は攻守全般の問題と捉えている。「全体的に球際をより強く、激しく、しつこくやっていかないといけないし、攻撃が中途半端に終わってカウンターを食らって疲弊してしまっている。攻撃の部分も見直していかないといけない」。
二人のコメントは問題の根が深いことを感じさせるもので、失点シーンを切り取って修正を施そうとしても問題の本質を解決することはできそうにはない。解決するためには一人ひとりが原点に立ち戻るほかないだろう。「目の前の相手に負けないこと。そこからだと思う」(塩谷)。「やることをはっきりさせて、良いコンディションを整えて臨みたい」(森保監督)。特に今節の浦和戦は各局面でマッチアップがはっきりする試合だ。一人ひとりが目の前の相手に負けなければやられることはない。全員が切り替えを速くして走力で上回れば数的優位を生み出せる。いまの広島に求められることは原点へ戻ることである。(寺田 弘幸)