Photo: Atsushi Tokumaru
広島に敗れる、または勝利できなかった試合は簡単に言ってしまえば、守備的な相手に対して圧倒的にボールを支配しながら決め切れず、カウンターで得点を許していた。この試合も特に前半の展開はまさに広島戦の典型的な流れだったが、ピンチをしのぐと、その直後に得点を奪う展開が続いた。
30分にはそれまでも裏を突かれていた関根がミキッチを倒してPKを献上。しかし、幸運だったのはそれが即失点ではなく、PKだったこと。そしてさらに幸運だったのはピーター・ウタカがそのPKを外したこと。すると、その直後の34分に武藤のクロスがオウンゴールを誘発し、浦和が先制に成功した。
後半に入ると49分に、またも左サイドで関根、宇賀神が茶島に抜かれてピンチを迎えたが、これは那須がクリアして事なきを得る。するとその直後の50分、リオ五輪から帰国後、前節・FC東京戦(3◯1)までとは別人のような、違う言い方をすれば本来の動きが戻ってきた興梠が高木のお膳立てからゴールを決めた。さらに58分、広島はミキッチのクロスから柏がヘディングでゴールを狙うもこれはわずかに枠外へ。するとピンチを逃れた浦和は、その2分後の60分に武藤がボールを奪い返し、ポジションを一列上げた宇賀神の縦パスから高木が抜け出して3点目。“ピンチのあとにはチャンスあり”とはよく言われるが、頂点に立つチームとして必要な勝負強さを見せ付けた。
また、リーグ戦終盤、その先のチャンピオンシップに向け、調子を落としていた興梠が復活の兆しを見せたこと、それに負けず、昨季の広島戦(2nd第3節・1●2)ではPKを外すなど敗戦の要因を作ってしまった高木がゴールしたことなど、攻撃陣が結果を残したこともポジティブな要素だ。遠藤も途中出場し、那須とのポジション争いもまた激化することだろう。
1stステージで勝利できなかったチームと対戦する勝負のラスト5。浦和はまず広島を下し、最高の形でスタートを切った。(菊地 正典)