Photos: Yosuke Koga
実戦復帰の中村俊輔がセットプレーで魅せる
開始5分の出来事だった。横浜FMは左サイド寄りでFKを獲得し、キッカーは左足甲の負傷からの復帰戦となった中村。正確無比なボールがファーサイドに走り込んだ中澤にピタリと合う。ダイレクトで打ったシュートは枠外のサイドネットに飛んだが、脅威を与えるには十分過ぎるファーストパンチとなった。
続く18分に、今度は直接FKを狙う機会を得る。ファウルを受けたのは、こちらもけがから復帰した齋藤だった。ボールをセットするのはもちろん中村だ。左足から放たれたシュートは壁の上を越え、GK鈴木の手をかすめてゴールネットを揺らす。このゴールがその後の展開にゆとりを持たせたことは間違いない。エリク・モンバエルツ監督は「彼の素晴らしいFKによって、チームがシナリオを持って戦う展開を作ってくれた」と背番号10を手放しで称賛した。
先制した横浜FMは再びセットプレーから追加点を挙げる。「今日は2点目が大きかった」とアシストの中村。ショートCKからゴール前に送られたボールを中町がヘディングで合わせると、これが追加点となった。
この2ゴールで試合のすう勢は決まった。先発の平均年齢が23.6歳の東京Vは少なからず意気消沈した。この様子を冨樫監督は「勢いを削がれ、プレッシャーを掛けられなくなった」と振り返る。リードした横浜FMは余裕を持ったボール回しが可能となり、反対にビハインドの東京Vは後手に回る展開を強いられた。
前半ロスタイムには、齋藤が獲得したPKをカイケが決めてリードを広げる。後半に入るとセーフティーリードを得た横浜FMが主導権を握ってゲームを進める。東京Vは63分に南が決定機を迎えたがシュートは枠外へ。対する横浜FMは88分にマルティノスの突破からカイケがダメ押しゴールを決めた。
「マリノスとヴェルディはずっとライバル関係にある」(金井)。日産と読売の系譜を受け継ぐ両チームの対戦は、終わってみれば横浜FMの完勝に終わった。(藤井 雅彦)